クリスマスが近づき、パリのブティックにはチョコレートがたくさん並ぶようになった。
このところのパリでは新店オープンや限定品の販売などが相次いでおり、見た目にも可愛らしい、宝石のようなチョコレートを手に取ることができる。

さて、多くのフランス人は「Mon péché mignon（モン・ペシェ・ミニヨン）」（※ちょっとした、小さな罪。
特に、ついつい我慢できずに口に運んでしまう大好きな食べものを指す）に、チョコレートと答えている。
そのため普段からチョコレートを楽しんでいるのだが、年に一度のクリスマスにはより特別なものを用意する、という家庭は少なくない。

毎日食べることはできないけれど、そんな特別な時期だからこそ手に取りたい、魅惑のチョコレートとは？2022年冬のパリで話題の、心ときめく味を4つご紹介したい。
 

 
パリの有名ショコラティエ、ジャック・ジュナン氏の長女であるジャッド・ジュナン氏は11月19日、パリに自身の店をオープンした。
場所はオペラ座からすぐそばの大通り沿いにあり、白とゴールドの上品な内観は「タージ・マハル」からインスピレーションを得たという。

こちらのカカオはホンジュラス産のものを使用しており、製造法は父ジャック・ジュナン氏とほぼ同じで、不要な添加物や保存料は一切使っていない。
 

※ゴールドのケースが美しい、15個入りのコフレ（15ユーロ・約2175円）

 
看板商品は写真のピラミッド・チョコレート。
コンコルド広場にあるオベリスクの頂上部分をイメージしたもので、最寄駅もピラミッド（地下鉄のPyramides駅）であることからシグネチャー・チョコレートとしたそうだ。
 

※コンコルド広場のオベリスク

 
フレーバーは全15種類で、フランボワーズ、プラリネ、ローズのほか、海藻を使用した「サンタマリチマ」というユニークな味も登場。
さらにはキャラメルや板チョコなどもラインナップに加わり、見た目にも麗しい、美意識の高いチョコレートたちが勢揃いしている。
 

※アンジェリーナのミニ・モンブラン・チョコレート

 
11月9日〜13日には、パリで「モンブラン・ウィーク」が開催されていた。
モンブランといえば老舗のアンジェリーナが真っ先に思い浮かぶが、やはりこのイベントにも参加していて、今年で5年目を数えるモンブラン・ウィークを牽引していた。
その中でも目新しかったのが、直径3センチほどの「ミニ・モンブラン・チョコレート」。
あのモンブランのミニチュア版といった感じで、チョコレートの土台の上には小さなモンブランがちょこんと乗っている。

期間限定というのが残念なのだが、15時には売り切れてしまうほど好評だったというから、定番化にもぜひ期待したい。
なおモンブラン・ウィークは各ショップではなく、パリに5店舗あるFou de Pâtisserieというブティック（パティスリーのセレクトショップのようなもの）で2017年から毎年開催されている。
 

※クリストフ・ミシャラク

 
フレンチ・マダムに大人気のパティシエ、クリストフ・ミシャラクの提案するチョコレートもユニークだ。
パティスリーが有名なため影に隠れがちではあるが、板チョコはこちらの看板ショコラでもある。
 

 
クリストフ・ミシャラクのミルク・チョコレートはカカオ40％の濃厚な味。
実は12種類ある板チョコの中でも一番人気だということで、濃いめのエスプレッソと共にじっくり味わいたい一枚だ。
 

※パトリック・ロジェのトリュフ

 
パトリック・ロジェは、フランス国家最優秀職人のショコラティエが手がけるチョコレート専門店。
特にキューブ型のロシェ（プラリネのチョコ）、カラー（ドーム型のボンボンチョコ）が有名で、ギフトのアイデアにも◎。
ただ、この時期は口溶けの良いトリュフに手が伸びてしまう。
こちらはビターチョコレート100%の大人の味で、高級店ならではの上品な食感が楽しめる。

今、パリの街角には多彩なチョコレートがずらっと並んでいる。
高級チョコはたまにしか味わえないが、今年お世話になった人や家族へ贈るプレゼントとしても手にとってみたい。（る）