2020年のパンデミック以降、「スクリーンを見る時間が増えた」という人々がフランスにも多数存在している。
仏行動学の専門家・BVAグループの調査によると、フランス国民がデジタル画面を眺めている時間は、1日平均にして4時間22分にもなるということだ。（仕事を除く、23年3月調べ）

オンの日もオフの日も、今やスマートフォンは現代人に欠かせないアイテムとなった。
しかしデジタルに頼りすぎてしまえば、心身に良くない影響を及ぼすとも言われている。
そこで広がりを見せているのが、スマホやパソコンに‘’敢えて触らない時間を作る‘’という「デジタルデトックス」だ。
パンデミックが起こる前にも関心が寄せられていたデジタルデトックスだが、フランスでは今も引き続き注目を集めており、ウォーキング、ヨガ、ピラティスといった「低強度の運動」を、デジタルデトックスの一環として選ぶ人が多いのだという。
 

 
中でもヨガは、日本より少し遅れてブームがやってきた。
ロックダウン中に閉鎖されていたスタジオも活気を取り戻しており、週末にはヨガマットを抱えながらスタジオに向かうマダムたちの姿がある。
動画を見ながらヨガを自宅で行う「おうちエクササイズ」も、ロックダウン中のフランスで大流行していた。
現在はスタジオ派、自宅派、ハイブリッド派とさまざまな人がいるようだが、グッズの充実ぶりから見ても大きなトレンドであることが分かる。
 

 
男性の参加者もどんどん増えており、パリではワンちゃんとヨガが出来る「ドガ」も登場している。（ドッグ＋ヨガ）
パリ郊外のイヴリーヌ県では5月、子猫ちゃんが駆け巡るヨガスタジオもオープンした。
同スタジオは地域の保護センター（Sauvetage et chats en détresse）と提携しており、セッション後には子猫の里親になることも可能なのだという。※審査あり
仏女性誌ELLEによれば、ヨガ以外にもピラティス、瞑想、アロマテラピーなどが22年〜23年のデジタルデトックス法に取り入れられているそうだ。
 

 
寝る前の1〜2時間はスマホを見ない、と実践する人はフランスにも多い。
またデジタルデトックスだけでなく、テレワークの浸透で増えた座りっぱなしの時間を減らすことも、今のフランスで大きく求められている。
気温もよく身体を動かすのに最適な季節となったパリでは、散歩やスポーツをする人はもちろん、公園で読書をする人たちがたくさん増えた。（オ）