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パリ最新情報「アフター・コロナ、フランス人若者をうつ病が襲っている」 Posted on 2023/02/14 Design Stories
ロックダウン、将来への不安、感染症への罪悪感…。フランス国立衛生研究所(Santé publique France)は、2月14日、コロナ危機により、フランスの若者の間でうつ病がかつてないほど増加していると発表した。
この研究は、2021年の人口におけるうつ病の割合を測定するため、約25,000人のフランス人を無作為に選びアンケートを送付して行われた。
フランスでは過去20年にわたり同様の調査が定期的に行われており、直近では2017年に遡る。それ以降、今回の調査までにコロナ禍があり、うつ病の症例がかつてないほど急増しているというのだ。
この結果は、すでに海外で実施された他の研究とも一致している。
うつ病の増加は人口全体に影響しているが、特に18-24歳の若者がその影響を大きく受けいる。
なんと、アンケートを受けた若者のうち約5分の1がうつの傾向にあると答え、前回の調査から倍増していることになる。
専門家は「18歳から24歳の間に経験することは、後に埋め合わせのできないこと」と、この結果の重大さを指摘している。
もちろん、うつ病の原因は患者の個人的な経歴から生理学に至るまで複数の要因に依存しているため、感染症とうつ病の発症との間に正確な因果関係を確立することは不可能である。
しかし、一般的には、経済的な不安、狭い家での孤立、外に出たがる若者が感染症を拡大させる危険な存在とされたことによる罪悪感など、コロナ禍とそれによって引き起こされたストレスが、うつ病の増加の主な原因の1つである、と、研究者は判断している。