欧州最新情報

パリ最新情報「一日、4万人の新規感染者が出続けるフランスの出口はどこに」 Posted on 2021/03/30 Design Stories  

英国はワクチンの接種が順調で国民の60%がすでに接種済みとなった。
その成果が出て、昨日のコロナによる死者が0となった。
一方、ワクチン接種に出遅れたフランスでは感染拡大に歯止めがきかず、一日の感染者数は4万人前後を推移しており、死者も350人ほどの人が連日亡くなっている。
マクロン政権がイル・ド・フランス、パリ首都圏及び近郊19地域(16地域から増えた)で行っている変則的なロックダウンは全く効力を発揮してない状況で、昨夜のニュースでも批判が相次ぎ、政権内で不協和音が生まれていることまでが報じられている。
もっと厳しいロックダウンに踏み切りたい政権中枢と選挙を控え緩やかなロックダウンを維持したいマクロン大統領の対立が起きている、というのである。
各メディア「マクロン大統領の孤立」と謳っていた。

パリ最新情報「一日、4万人の新規感染者が出続けるフランスの出口はどこに」

※晴れた日、パリジャンたちは公園に集まり、友人らと語り合う。ロックダウンの風景もこの一年で変化した。



現在、フランスでは小中高校で子供たちの感染が広がっており、政府は巡回型のPCR検査トラックを全国展開し、早期発見とクラスター予防により感染拡大を防ごうとしている。
一人の感染児童が出れば一週間の学級閉鎖が行われているが、学校によっては学年封鎖をしなければならないところも出ている。
学校の教職員の感染も増えており、予備の教員たちもフル稼働の状態が続き、このままでは学校の継続が難しい状態に追い込まれつつある。
疲れ切った学校側は、教育をとめたくない政府に強い口調で非難を繰り返し窮状を訴えている。

パリ最新情報「一日、4万人の新規感染者が出続けるフランスの出口はどこに」



それは医療現場でも同様で、すでにパンク状態が続いており、強い対策を打ち出せない政権への批判が噴出している。
マクロン大統領は先の演説で欧州を世界最大のワクチン製造地域にしたいと提案した。
先行きの見えない新型コロナのパンデミックにはワクチンしか有効な手立てがないからこその宣言であろう。
しかし、今後、人類は毎年、ワクチンを接種していかなければならない新しい段階に入ったことを物語っている。
ワクチン産業が暫くのあいだ、世界経済をけん引することになる。
もう、我々、人類は、ワクチンなしではどこにも移動が出来ない、というのが現状なのである。

その人々の不安をよそに、ロックダウン中のパリでは人々が公園に集まり、日向ぼっこやピクニックをしてコロナ禍の苦痛を紛らわしている。
中にはワインやビールを飲んでいる若者のグループもいる。
ワクチン接種の順番が来るのを待ちながら、まばゆい春の光りを満喫するフランス国民の、ぼんやりとした不安は、続きそうだ。(中)

パリ最新情報「一日、4万人の新規感染者が出続けるフランスの出口はどこに」

※若者たちはこっそりと飲酒をする。

パリ最新情報「一日、4万人の新規感染者が出続けるフランスの出口はどこに」



自分流×帝京大学
地球カレッジ