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パリ最新情報「感染者が激減し始めたフランス、その理由」 Posted on 2020/11/17 Design Stories
「フランスは第二波のピークを越えた」
昨日、フランスメディアが政府の見解として、一斉に報じました。
わずか10日前、一時、一日の感染者数が9万人弱まで拡大したフランス、昨日の一日の感染者数はその十分の一、9千人でした。
増えたり減ったりを繰りかえしながらも、感染者数が減っているのは間違いありません。
一番の証拠は集中治療室に入る人の数が昨日はフランス全土で25人だったことがあげられます。
欧州でもっとも急速に感染第二波に飲み込まれたフランスが、どうやって、この危機を脱したのか。
これはやはり移動制限、ロックダウンの効果と言わざるを得ないでしょう。
第一波の時のロックダウンほど強いものではありませんが、今回の措置はコロナの拡大に歯止めをかけることができ、やはりロックダウンが有効であることが実証されつつあると言えます。
ところが、ロックダウンには犠牲が伴います。
バー、レストランだけじゃなく、商店も封鎖してことで、昨日は各地でロックダウン政策に対する商店主たちの抗議デモが相次ぎました。
彼らは真っ黒服装、真っ黒なマスクを付けて、広場を埋めたのです。
そして、大きな声で「我々を殺すのか?」と訴えました。
各地で、法律を破り、逮捕覚悟で、カフェや書店などが営業を勝手に再開するところも出てきました。
ロックダウン政策が効果を出している反面、市民の反発は激しく、今後はここが大きな争点になるでしょう。
フランス政府は商店やカフェの再開をしなければ国民の感情を掴むことが出来ません。
けれども、商店を再開すれば感染者が再び急増する可能性が高く、悪循環に陥る危険性があります。
感染者数の激減に安堵を覚えつつも大きな課題を前に、カステックス首相らは頭を抱えています。
今週末にはまたなんらかの新しい方針が打ち出されることになりますが、商店の制限付き再開がもしかすると実現する可能性も囁かれています。