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パリ最新情報「最近のパリ、コロナ事情、未だ衰えぬオミクロンBA.5って」 Posted on 2022/11/16 Design Stories
日本のコロナ感染者数が再び上昇してきたというニュース。フランスでも、ピークさえ越えたものの、コロナが消えたわけではなく、つい最近まで「先週はコロナで1週間寝ていたんだ」という話をあちこちで耳にした。みんな、「子供はほぼ症状がなく、あっても回復が早かった」と口を揃えるが、大人にとっては結構きつかったようだ。
現在、感染の主流となっているのはオミクロン株BA.5で、全体の感染者の約8割を占めている。
夏から相変わらず猛威をふるっているBA.5とはどういうウイルスなのだろうか。
まず、BA.5は、BA.1やデルタ株より感染しやすかったオミクロンBA.2(今年1月に流行った)よりもさらに感染しやすく、潜伏期間(症状が出るまでの期間)は3日とやや短め。
BA.5は、症状の持続期間が長く(平均7日)、消化器症状や味覚・嗅覚の喪失、発熱の症状に加え、咳や倦怠感など、BA.1よりも症状が比較的重く、無症状であることは珍しいとも言われている。
ちなみに、6月にSanté Publique Franceが発表したBA.5の主な症状は、
疲労感(72%)、咳(56%)、発熱(56%)、鼻水が出る(49%)、頭痛(50%)、
筋肉痛(39%)、のどの痛み(38%)、熱を感じる(17%)、吐き気・嘔吐(17%)、味覚障害(16%)、臭覚の喪失(16%の症例)、息切れ(14%)、下痢(14%)、呼吸困難(7.3%)。
デルタ株と違うところは、オミクロン株は肺に影響を与えることが少ないというところのようだが、最近罹ったという友人は、味覚臭覚がなくなり、熱と頭痛が続き、とにかく疲労感が半端なかった、と疲れきっていた。
フランスもワクチンのブースター接種を促しているが、接種率は依然として低いようで、周りのフランス人に尋ねても、「僕は3回ワクチン打って、2回罹ったんだよ?合計5回だ。ワクチンはもういいよ・・・」などという声がほとんど。
フランスでは今年1月からワクチンパスポートの措置が適用されたため、3回ワクチン接種者のほとんどが昨年12月から今年1月上旬にワクチンを接種している。ワクチンの効力が低くなってきている今、フランスでは2回、3回と感染している人が多くなってきているようだ。
ちなみに、フランスではワクチン3回接種者とワクチン未接種者で隔離の期間が変わる。
ワクチン3回接種している人の隔離期間は陽性になってから7日間。ただし、5日目に検査をし、陰性且つ症状が無くなってから48時間経っていれば、学校や仕事に戻ることができる。
ワクチン未接種者の隔離期間は10日間。こちらは、7日目に検査をして、陰性且つ症状が無くなってから48時間立っていれば、隔離終了となる。
濃厚接種者の隔離はないが、感染者と接触してから2日後に抗原テストかオートテストをして陽性であれば隔離となる。
残念ながらまだまだコロナの収束は見えない。
フランスの専門家たちは、今、BA.5の変異型である「BQ.1.1」に注目している。
2022年8月頃から出現しはじめたこの亜種は、現在、世界で約5%を占めていると言われており、フランスでは9月末の時点で、約10%。
「BQ.1.1」は特に激しい下痢や嘔吐を引き起こすという特徴があるようで、フランスでは数週間前から少しずつ上昇傾向にあるという。いつまでも引かないコロナの波、このBQ.1.1については杞憂に終わってほしいものだ。(の)