欧州最新情報
パリ最新情報「増え続けるコロナ感染者、まもなくヨーロッパで2人に1人が感染 ?」 Posted on 2022/01/12 Design Stories
1月11日、フランスはコロナ新規感染者36万8149人を記録し、341人が死亡した。陽性率は約20%。新規感染者の数に関してはもちろん、コロナが始まって以来一番多い数字で、このスピードで感染が増え続ければ今後6〜7週間でヨーロッパの人口の50%以上がオミクロン株に感染、すなわち、2人に1人がコロナに罹るという状況が起こる、と、WHOが発表した。
オミクロン株は軽症と言われているが、感染者数が多いだけに、重症化する人の数もじわじわと増えており、ICU占有率も約80%までに上がってしまった。
身近な人がどんどん陽性になっていき、コロナに罹らない方がマイノリティーになりつつある、というのがフランスの現状といえる。
現在、フランスの新規感染者の88%以上(パリは95%以上)がオミクロン株といわれているが、その症状はというと、喉のイガイガ、微熱、倦怠感、が圧倒的に多い。大人はだいたい3回のワクチンを終えているので、どの人も症状はそこまでひどくない。ワクチンを打っていない年代の子供も、1〜2日発熱をして、その後元気に過ごしているという子がほとんどだ。
家族に1人感染者が出ると、だいたい5日ほどで同居家族も発症していく。小さな子供が感染した場合、その子供だけを隔離するのは難しく、結局、家族全員が順番に感染していく。その反対もあり、小さな子供がいる家庭の親が感染した場合、親だけ隔離することは不可能。家族間での感染が鰻登りとなっている。
フランス政府は新学期より学校での濃厚接触者の規定などを軽減した(クラスに感染者が出てもクラスを閉鎖せず、陰性の生徒は登校を続ける、や、テストの方法など)が、学校での感染者は増え続ける一方。マクロン大統領は「完璧な対策など存在しない」と発言しているが、今週木曜日には政府の対策に不満を募らせる先生たちのストが予定されている。
また、この15日土曜日より前回のワクチン接種から7ヶ月経過し、ブースター接種をしていない人の衛生パスポートが無効になる。3回目が終わったと思ったら、すでに4回目のブースター接種の話もでてきつつあるが、欧州医薬品庁(EMA)のマルコ・カバレリ氏は、「トンネルの終わりにいつ到達するかは誰にもわからないが、我々は必ずそこに到達する」とし、同氏は、「まだパンデミックの中にいることを忘れてはならない」と強調しつつも、ワクチンをブースター接種し続けるのは持続可能な戦略ではないとし、「オミクロン株が拡がることで、ワクチン接種に加えて自然免疫も多く得られるので、よりインフルエンザのような「流行」になるというシナリオへと急速に進むだろう」と続けた。
コロナ3度目の春に、ヨーロッパは2人に1人がコロナ感染者となるのか、否か。ヨーロッパの冬はオミクロンと共に続く。(み)