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パリ最新情報「フランスは土曜日から全土で18時以降の外出禁止となる」 Posted on 2021/01/15 Design Stories
今夜、カステックス首相の会見があり、これまで一部地域のみだった夜間外出禁止令18時が土曜日よりフランス全土に適用されることになった。(最低2週間の予定)
商店も18時には閉店となるため、首相は、客が集中しないよう、昼休みや週末などを返上してバランスをとるよう国民に促した。
現在、フランスの周辺国はほぼ全て厳しいロックダウン制限下にある。
「フランスでも感染力の強い英国変異株の感染者がじわじわと増えているものの、隣国より感染状況は落ち着いている(1日1万6千人から2万人程度の新規感染者。秋には1日5万人であった)ため、ロックダウンは避けることができた」、と…。
その理由として、フランスは周辺国より早い措置を打ち、10月末から厳しいロックダウンを行ったこと、を力説した。
「年末のパーティーシーズンに国民が注意をして過ごしてくれたおかげで英国やドイツなど近隣国のような感染爆発を避けられたのだ、」と首相は付け足した。※カステックス首相、よくフランス国民の性格を知り尽くしているのである。飴と鞭の巧みな話術。声も大きく、身振り手振りも力強い。
経済や人々の精神面を考え、できるだけロックダウンは避けたい方針だが、感染が爆発してしまった場合は迷わずロックダウンに踏み切るつもりでいる、とも付け足し、国民の意識のタガを締めた。
しかしながら、英国型変異ウイルスは現在フランスでもじわじわと広がりを見せており、その割合は、感染者の1%〜1.5%にまで増えつつある。
およそ、1日に、約200人から300人が英国変異ウイルスに感染している計算となる。
ちなみに、南アフリカの変異型ウイルスもフランスで感染が確認されているが、今のところ、どちらも南アフリカに滞在した人からの発見で、追跡はできているとのことであった。
カステックス首相はこれ以上、新しい変異株や感染者をフランス国内に入れぬよう、検疫の強化についても発表した。
EU圏外からの入国者に対し、出発時に72時間以内のPCRテスト陰性証明を義務付け、到着時にPCR検査、そして7日間の隔離措置を新たに設定した。
学校については、春のロックダウンで子供たちに与えた精神面、社会面、教育面への影響は計り知れないとし、フランスは隣国とは違った選択、すなわち、「学校は開け続ける」ことも併せて発表した。
今年に入り子供や若年層への感染が目立っていることから、学校関係者や生徒に対して1週間に30万人分のPCRまたは抗原テストが行える環境を整え、マスクを外すスポーツの時間や給食時などに感染が広がらないよう衛生措置を強化する、とした。
また、これまでずっと対面授業が行えなかった大学生の精神的ダメージが大きな問題になり始めており、一月下旬より1年生に対して対面授業を徐々に再開していく方針であることも付け加えた。(み)