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パリ最新情報「トレーを持ったまま!?伝説のカフェレース、13年ぶりにパリで開催!」 Posted on 2024/03/25 Design Stories
3月24日、100年以上の歴史を誇る「カフェ・レース」が13年ぶりにパリで開催された。
レース内容は、カフェ・レストランの給仕たちが「トレーにカフェ、クロワッサン、グラス一杯の水をのせたままこぼさずにパリの街を駆け抜け、そのスピードを競い合う」というもの。
かつてこのレースは「ギャルソン・レース(course des garçons)」と呼ばれていたが、現在では性別関係なく参加できるため「カフェ・レース(course des cafés)」と改名された。
彼らは“フランスの朝食”をトレーにのせたまま、パリ市庁舎をスタートし、マレ地区やポンピドゥー・センターなどを巡って再び市庁舎へと戻ってくる。合計で約2キロのコースだ。
選手として集まったのは、パリのカフェ、レストラン、ブラッスリーなどに勤務する、およそ200人の給仕たち。
白のトップスに黒のボトムスを着用することがルールだったが、エプロンやトレー、クロワッサン等は主催者側から用意された。
カテゴリーは見習い(新人さん)とベテランの二部門に分けられた。
いずれもパリ五輪で予定されているマラソン競技と同じく、パリ市庁舎広場をスタート&ゴール地点とした。
※走ることは禁止。早歩きでスピーディに、こぼさずに、というのが今回のルール。第一部門、新人さんたちのレースから。
参加者の中には、「勝つために休日も休憩時間も練習に励んだ」という人もいた。
それだけに、トップを走るランナーの足はかなり早い。
合計2キロのコースを15分弱で巡り、トレー上の水もカフェも、グラスからほとんどこぼれていなかった。
(こぼすと減点対象になってしまう)
※続いてベテラン部門。沿道では大勢のパリ市民が声援を送っていた。
パリのカフェ・レースは、2011年以来13年ぶりに開催されている。
13年も空いてしまった理由には、スポンサー離れと資金不足があったという。
しかし2024年はオリンピック・イヤーということもあって、パリ市とパリ水道公社(Eau de Paris)の二つが新たなスポンサーになった。
パリ市とパリ水道公社は今回、首都を象徴する「給仕」という仕事の魅力を伝えるとともに、カフェ・レストランのベースとなっている水、そして脱プラスチックの大切さをレースを通して訴えた。
そんなカフェ・レースも、始まりは1914年と歴史が古い。
給仕の魅力を伝える目的は当初から共通しているのだが、一方でトレーにのせるものは、時代を追うごとに変化した。
たとえば1932年には食前酒(※)のボトル1本とグラス4個を、1948年にはボトル2本とグラス2個を、そして1933年には自転車に乗りながら競ったこともあった。
※ポートワインなど、当時は「食前酒」を広める目的があった。場所はモンマルトルやオペラ座前など、時代によってさまざま。
※1930年、モンマルトルで開催されたカフェ・レース。Paname Paris Xより
Course des garçons de café de Montmartre.
c.1930 Paris pic.twitter.com/V8WVvNTu22— Paname Paris (@ParisAMDParis) October 25, 2022
スピードだけでなく、「いかにこぼさずに運べたか」で決まる今回のレース。
結果、男性ではサミー・ラムラスさん(13分30秒)が、女性ではポーリーン・ヴァン・ワイマーシュさん(14分12秒)が一位のメダルを受け取った。
なお両優勝者には、メダル以外にも豪華宿泊券などが贈られたという。
パリ副市長は13年ぶりのカフェ・レースを終えて、「オリンピックがこの職業にポジティブな影響を与えることを望んでいます」と述べた。
実際に、給仕たちにはパリ市民からも旅行者からも大きな声援が送られていた。
こうして盛り上がった今回のレースを受けて、25年以降も継続した開催が期待される。(大)