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パリ最新情報「シャンゼリゼ大通りのカウントダウンに100万人、ヨーロッパ最大級に」 Posted on 2023/01/03 Design Stories
大晦日の夜、カウントダウンのイベントがパリのシャンゼリゼ大通りでも行われた。
このイベントは毎年恒例となっているのだが、2020年、2021年はコロナの影響で開催が中止されていた。
よって今回は2年ぶりのカムバックとなる。
この度のイベントには予想外に多くの人が集まり、コンコルド広場から凱旋門までの大通りは非常に多くのパリ市民・観光客によって埋め尽くされた。
当初、パリ市は約50万人の来場者を見込んでいた。
しかしパリ警察が最終的に発表した人数はおよそ100万人にも上ったとのこと。
これは近年に見ないほどの人出で、パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏は「2024年のパリ五輪に向けて、さらに多くの人々を迎える準備をしているシャンゼリゼ大通りの成功を予感させるもの」だと述べた。
確かに、シャンゼリゼ大通りのカウントダウンはパリにおける年越しの有名なイベントだが、2017年には50万人、2018年には30万人、そしてコロナ流行前の2019年には25万人と、年々その人気が衰えていたというのも事実であった。
そのため2年ぶりの開催となった今回も、多く見積もって50万人ほどだろう、とされていたのだ。
ところが年末年始の暖かい気温が人出に拍車をかけた。
この日、パリでは夜でも気温が15度前後と過ごしやすく、それほど着こまなくても耐えられるような陽気だった。(フランス各地でもクリスマス前から気温が上がっており、南仏ではバルコニーやテラスでクリスマス・ディナーを楽しんだというニュースも流れた)
こうしてパリ市関係者、パリ警察、そして集まった観客からは「まさかこれほどまでの人出とは…」と驚きの声が至る所で上がったという。
Nouvel An à Paris : les images du feu d’artifice sur les Champs-Elysées dans l’œil du Parisien
➡️ https://t.co/yC6oL4F3bj pic.twitter.com/PUcADuX9c9— Le Parisien | Paris (@LeParisien_75) January 1, 2023
引用元:Le Parisien公式ツイッター
31日夜、シャンゼリゼ大通りは通行止めとなり、入場には厳重なセキュリティ・チェックが行われた。
なお動員された警官の数は大通りだけで5400人。
シャンパンの持ち込みは固く禁じられ(シャンパンの栓が開く際、危険を伴う為)、近隣でもアルコールの消費・販売が元日の朝まで禁止となった。
年明け30分前の23時30分からは、プロジェクションマッピングの技術を用いて凱旋門が巨大なスクリーンへと変化した。
今年は「愛と祝福」がテーマとされ、ダフト・パンクなどフランスを代表するアーティストを称えた音楽が流された。
そして、待ちに待った23時59分になると会場の盛り上がりは最高潮に達し、カウントダウンに合わせて数分間の花火ショーが行われる。
花火が終了すると、凱旋門の周りでは2時間にわたって「PARIS」「2023」の文字を映し出しながら、映像・音楽アニメーションが放映された。
また今回の花火に用いられた火薬は340kgにもなったという。
これは、節電を意識しプロジェクションマッピングの技術が最小限に抑えられたため。
つまり年が切り替わる瞬間、照明のほとんどは花火でまかなわれたことになる。
警察の動員もあり、年末年始のフランスではこれといって大きな事件は発生しなかった。
ただスリなどの軽犯罪による検挙数は前回より増えており、逮捕者はフランス全土で490人に上るなど、昨年に比べ11%も多かったという。
この結果は、特にパリで「警察と憲兵隊の存在感が非常に大きい」とのこと。
もちろんこれは2015年にパリで発生したテロの後から厳しくなっており、地元警察による厳重な警備体制は今後も各地のイベントで強化される。
シャンゼリゼ大通りに100万人が集まったというニュースは、元日のフランス各紙を華々しく飾った。
世界ではニューヨークのタイムズスクエアなどが有名だが、パリのシャンゼリゼではこの度、ヨーロッパでも最大級の人出となったことが確認された。(大)