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パリ最新情報「化粧品、香水のサンプル配布が終了に 変わるフランスの美容消費」 Posted on 2024/07/03 Design Stories  

 
フランスでは7月1日から、店頭における化粧品・香水のサンプル配布が禁止されるようになった。
今まで化粧品のサンプルは、会計時におまけとして配られることが多かった。しかしフランスの法律はこれを2024年6月末で廃止。無作為に配ることは禁止され、今後は「顧客から明確な要求があった場合」にのみ、提供されることになる。
 

パリ最新情報「化粧品、香水のサンプル配布が終了に 変わるフランスの美容消費」



 
この措置は、2020年にフランスで施行された「循環経済法」に基づいてすすめられている。プラスチックストロー、プラスチック綿棒の禁止、23年から始まった紙レシートの発行禁止と、同じ法令だ。
理由は、サンプルパッケージがサイズの小さなプラスチック製品であるため。サンプルの大量生産と大量配布を終了し、海洋汚染や土壌汚染を防ぐことを目的としている。※小さなパッケージはリサイクルが非常に難しいとされている。
ただブランドのメンバーシップ特典など、販促物に含まれるサンプルはこれまで通り配られる。
 

パリ最新情報「化粧品、香水のサンプル配布が終了に 変わるフランスの美容消費」



 
実際に、フランスのデパートやセフォラ(SEPHORA)といったコスメ専門店では、サンプルを“サービス”として受け取ることがなくなった。これは購入・未購入にかかわらず適用されている。
ブランドにもよるが、サンプルが欲しい場合ははっきりと申し出たあとで、顧客カードに必要情報を記入しなくてはならない。

仏コンサル会社Odoreが実施した調査では、フランス人2万人のうち、75%がサンプルで試した製品を購入したことがあるか、購入する可能性があると回答したそうだ。
また化粧品・香水のサンプルについては、「飛行機内での利用」や「旅行時の携帯用」としての需要もあったことから、終了を惜しむ声が上がっている。
一方でサンプルを求めていない人々からは、「浪費を避ける良いこと」という意見が寄せられた。
 

パリ最新情報「化粧品、香水のサンプル配布が終了に 変わるフランスの美容消費」



 
サンプルのパッケージは多くの場合が小さなプラスチック製であるため、再利用が難しい。リサイクルできないと判断されれば、そのほとんどが埋立地行きになってしまう。一部では海への投棄も発見されているということだ。

確かに、化粧品まわりはプラスチックであふれている。フランスではこうした環境負荷を減らそうと、100%リサイクル可能な容器か、堆肥化可能な容器への移行がすすめられているという。現にフランスのコスメコーナーでは、紙のパッケージを見る機会がかなり多くなった。
化粧品のサンプルは便利なものだったが、これからは便利すぎる社会から抜け出す努力が必要になりそうだ。(こ)
 

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