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パリ最新情報「コロナ緊急事態が終了したフランス。8月から変わること」 Posted on 2022/08/03 Design Stories
フランスにおけるコロナ第7波は先月末を境に、ようやく沈静化した。
8月1日(月)の新規感染者数は7,249人。過去7日間では35%減少しており、陽性率は24.4%となった。
また入院者数はこの1週間で6,646人となり、7日間で27%減少した。全体の入院患者数は現在20,063人、うち1,205人が集中治療を受けている。
フランスでは、2022年7月31日に保健衛生上の緊急事態が正式に終了した。
これは2020年3月より施行されていたコロナ禍のための例外的な制度である。
フランスでは一旦2021年6月1日に終了していたが、2021年11月11日に再度発令され、先の7月31日に終了するものだった。
フランス政府は一時、この緊急事態を来年の3月まで延長するよう求めていたが、野党側の激しい反対により7月29日に否決された。
よって、フランスは今後法律を変えない限り、ロックダウンや夜間外出禁止令の発動、衛生パスポートの提示を強制できなくなる。
これにより8月1日からフランス国内でさらなる規制緩和が行われるようになった。
まず病院などの医療機関では長らく衛生パスポートの提出が義務であったが、これは7月31日をもって廃止となっている。
マスク着用についても同様、政府が国民に義務付けることはできなくなった。
ただ「推奨」は依然として続いており、今でも公共交通機関など密集する場所においてのマスク着用は強く勧められている。
なお例外は病院のみで、スタッフ、医師、患者、訪問者すべてにマスク着用が引き続き義務付けられる。
またフランスに入国する際も特別な措置は必要ない。
フランスへの渡航においては、到着前にすべき手続きがなくなったほか、出発国や地域に関わらず衛生パスポートの提示が求められなくなった。
このため「やむを得ない理由」を含む旅行証明書も提出の必要がなく、新型コロナウイルスに感染していないこと、及びフランス到着時のPCR検査・抗原検査を承諾する宣誓書の提出が不要になる。
これによりワクチン接種有無等に関わらず、これまでフランスへの渡航者に適用されていた新型コロナウイルスに関する水際措置は撤廃された。
ただフランス政府は緊急事態の終了にあたり、入国時に関するいくつかのルールを新たに設けている。
これは国外で新型のウイルスが出現した際や、フランス国内の病院が再び飽和状態になった際の二例で適用される。
この場合、入国前のテストが全員に義務付けられ、ワクチン接種・未接種に関わらず陰性証明が求められる。
この新制度は2023年1月31日まで適用され、12歳以上が対象となる。
しかし仏保健相のフランソワ・ブラウン氏は「パンデミックの終息に楽観的ではない」としており、早くも第8波と第9波を警告している。
同氏は7月末にテレビ番組に出演し、「我々は終わりのないトンネルの中にいる。コロナ流行初期に定着したマスク着用の習慣を守るよう、フランス人は特に気をつけてほしい」と強く語った。(内)