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パリ最新情報「フランスで増える学級閉鎖、その基準と対応」 Posted on 2020/09/22 辻 仁成 作家 パリ
コロナウイルスの感染拡大が続くフランスですが、パリ市内の学校、中学や高校などの各学校では、1~2クラスくらいの学級閉鎖が行われています。
しかし、その政府の指針が明らかになりました。
まず、クラスに一人感染者が出ても、学級閉鎖にはしない。
しかし、3人以上の子(兄弟とかではなく、家庭の異なる子供)が同じクラスから出た場合は学級閉鎖を行うということです。
つまり、これまでは一人感染した子が出たら学級閉鎖を行っていのだけど、それではいつまでも教育が前に進まない、そこで、新基準では、3人の感染者が出たクラスを閉鎖することにしたのです。
なぜなら、フランスでは小さな子供同士の感染はかなり稀なケースだという科学者の結論は変わらないようで、幼い子供から子供への感染はほぼない、と結論づけられています。
子供が感染するのは、大人から子供への感染によるものがほとんど。子供から大人への感染はとても珍しい、とのこと。
この子供という定義の年齢は、ぎりぎり小学生いっぱい、だいたい11歳前後でしょうか。
15歳以上、高校生は大人と同じ感染の動きをしているようです。
学級閉鎖がどのくらい続くのか、その基準については見つけることが出来ませんでしたが、前回の最新情報で書いた通り、感染した子供は一週間自宅隔離。その後元気になれば学校に戻ることができます。
今朝のラジオで、興味深いインタビューがありました。
若い女性会社員が、PCR検査場の前でマイクを向けられ、どうしてここに来たのか、と質問を受けたのです。
「実は会社の研修で一人感染者が出たの。そしたら、その直後、すぐに社会保険庁からPCR検査を受けるように、と連絡が直接私のところにあったのです。その後、会社からも来ましたが、まず真っ先に政府から連絡がありました」
感染者が増えているので街の検査場が混雑してきており(感染の疑いがある人を優先)、政府は大きな体育館や市役所などに臨時の検査場を増設しています。
現在、一週間で100万PCR検査を行っているフランスですが、この数が増える可能性があります。
先を見越して、500万PCRキットを追加注文したということです。誰でも検査を受けられるようにして症状がなくても炙り出していくフランス政府の作戦と言えるでしょう。
その結果、感染者数の増加を招いているのですが、逆を言えば見えない感染者より目に見える数が分かる状況にあるといえます。