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パリ最新情報「パリに新しい流れ、カフェならぬコーヒーショップが続々とオープン」 Posted on 2023/11/25 Design Stories
ここ数年で、パリのカフェ事情が変化している。
パリと言えば、伝統的でシックな内装のカフェを思い浮かべる。
しかし近年では、パリの右岸にも左岸にも、ニューヨークスタイルのモダンな「コーヒーショップ」がオープンしており、コーヒー好きが通う新しいスポットとなっている。
こちらはカフェ(café)ではなく、フランス人にもそのままコーヒーショップ(coffee shop)と呼ばれる。
大きな特徴としては、店舗面積が狭いこと、テイクアウトメニューが豊富なこと、コーヒーのクオリティに特化していること、テーブル席はなくカウンターのみ、といった内容だ。
まずコーヒーショップの面積は、狭く設計されているところが多い。
テーブル席は設けず(あっても数席)、カウンターのみの展開がほとんどである。
中にはそのどちらもなくし、テイクアウトだけで営業するコーヒーショップもある。
座ってゆっくり、一人で休憩したり仲間とお喋りしたり、という目的のあるパリの老舗カフェだが、新たなコーヒーショップではコーヒーそのものの質にこだわっており、「空間」より「味」を提供しているといった印象だ。
そのため、バリスタが常駐するコーヒーショップも続々とオープンしている。
サイドメニューにもフィンガースイーツや日本風のサンドイッチなど、気軽に手に取れるものが多く並ぶ。
※パリ7区、アルマ橋の袂にあるピエール・エルメのコーヒーショップ。
最近ではピエール・エルメやラデュレなどの有名パティスリーも、新しいタイプの店舗を展開している。
たとえばパリ7区、アルマ橋の袂にあるピエール・エルメのカフェは、テーブル席はなくカウンター席のみで営業するという「コーヒーショップ」スタイルだ。
ここではテイクアウトの需要がほとんどだといい、並ぶスイーツはマカロンやブリオッシュなどカジュアルなものが多い。
またコーヒーショップの特徴は、エコビーンズの種類・植物性ミルクの豊富さにもある。
ラテだけで8種類のメニューを用意するコーヒーショップもあるほどだ。
こうしたミニマリストな空間、環境や健康面でのナチュラル志向、そしてテレワーカー向けのテイクアウト販売は、現代パリジャンのニーズに大きく応えたものだと言える。
ニューヨークや東京を思わせる洗練されたインテリア・デザインで、こだわりの味を提供するコーヒーショップ。
世界第4位のコーヒー消費量を誇るフランス、そして首都パリにあっては、元あるカフェ文化に新しい風が吹き込んでいる。(大)