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パリ最新情報「パリのクリスマス・マーケット」 Posted on 2024/11/24 Design Stories
ハロウィンが終わると同時に、クリスマスムード一色に染まり始めたパリ。ショッピングモールやデパートには大きなクリスマスツリーが置かれ、街中がイルミネーションでキラキラとしてきた。
そんなパリでは先日、クリスマスマーケットが始まったばかり。チュイルリー公園と西部近郊のラ・デファンスにて、現在2つのマーケットが開かれている。早速両方とも見てきたので、初めて本場ヨーロッパのクリスマスマーケットを訪れた筆者の目線から、どのような感じだったか雰囲気をお伝えしたい。まずは、ルーブル美術館とコンコルド広場のちょうど間に位置する、チュイルリーのマーケットから。
駅を出るとすぐ目の前に、大きなくるみ割り人形の兵隊が現れた。入り口からもう可愛い。この日は初日だったので、通りすがりの現地の人たちも「おお、ノエルだ!ノエル!」とみんな沸き立っていた。パリのクリスマス・マーケットは他にも、モンマルトルやエッフェル塔前、ノートルダム大聖堂近くなど、これから徐々に始まることになる。その中でも特に規模が大きくて人気なのが、このチュイルリーなのだそう。
この賑やかなデコレーションの数々に、一々胸がときめいてしまう。そして入った瞬間、スープやらチーズやらホットワインのいい匂い!食べることがとにかく大好きな私は、真っ先にグルメコーナーへと直行(笑)。さあ、何を食べようかな〜と屋台を覗いてみると…
七面鳥、ラクレット、タルティフレット、パスタ、ソーセージ、オニグラスープ…!魔女の大釜のようなお鍋や鉄板があちこちでぐつぐつと煮えていて、何にしようか迷ってしまう。まずは一番気になった、グラタンのような見た目のタルティフレットとホットワインを注文。
タルティフレットというのは、フランス・サヴォワ地方(スキーリゾートとして知られている)の郷土料理で、玉葱とベーコン、ジャガイモにチーズを乗せてオーブンで焼いたもの。クリスマスマーケットの定番なのかな、ラ・デファンスの方にもこれがたくさん置いてあった。ベーコンだけでなく、チキンや豚を使っているのもある。寒い外で食べる熱々のタルティフレットは最高だった。でもなんと言っても、見た目よりとにかく量が多くてびっくり。ホットワインも小さいサイズを頼んだはずが十分大きくて、これだけですっかりお腹いっぱいになった。これはカフェでもどこでもいつものことではあるが、日本のサイズ感に慣れていると、想像の2倍くらいあって驚いてしまう。
この移動式遊園地があることも、チュイルリーが人気な理由のひとつ。様々なアトラクションがびっしりと軒を連ねていて、子供たちは大喜び。しかも、けっこう激しめというか、空中に放り出される系の本格的なやつで、落ちてこないよね、と、アトラクションの下を歩いているこちら側の方が怖くなってしまった(笑)。
可愛い雑貨やオーナメントのお店もちらほら。マカロンがあるのも、さすがフランス。
中にはこんなユニークなお店も。町中で見られるこの青いプレートは、住所や通りの名前を記した、いわゆる道路看板なのだが、ここでは自分の名前や好きな文字を入れてもらえる。つまり、自分だけのオリジナルプレートが作れちゃう、というわけだった。その場でささっと、5分も経たないうちに仕上げてもらえる。面白いコンセプト!
ここからはラ・デファンスの方を少しご紹介。
ラ・デファンスはビル群が立ち並ぶオフィス街。こちらは夜に行ってみた。
ここにはアトラクションがない分、屋台の数がとても多い。お皿やストール、ミニチュア人形など、雑貨のお店も色々あった。カメラを向けるとポーズをとってくれる、陽気なお姉さんが多いのも特徴(笑)。
ご飯のラインナップもチュイルリーとは少し違っていて、ハンバーガーやアフリカ料理、野菜とチキン炒めのようなものまで幅広く売られていた。そして私がこの日頂いたのは、ホット・シードルとブフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)。シードルにホットがあるとは、知らなかった。甘くてジュースみたいな感じで、体がぽかぽか温まる。
ラ・デファンスのクリスマスマーケットはお店の数や種類の多さが魅力。ただ、周りをぐるりと高層ビルで囲まれているせいもあり、雰囲気が良かったのはデコレーションが可愛いチュイルリーの方。どちらも違う見どころがあり、それぞれ楽しむことができた。来週以降、また別の場所で開かれるクリスマスマーケットにも、始まり次第覗いてみたい。(ア)