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パリ最新情報「雪化粧に染まる、パリの華やかなクリスマス風景2024」 Posted on 2024/11/23 Design Stories
もうすぐ12月。耳が痛くなるほどの寒さが訪れるパリだが、街はイルミネーションに彩られ、クリスマスならではの特別な雰囲気が漂いはじめた。
さらに、昨日21日には雪も降り、パリの街並みが一面銀世界に包まれた。積雪は4センチに達し、11月としては56年ぶりの出来事だったという。
そんな寒さをものともしない、パリの美しいクリスマス風景をご紹介したい。
※ヴァンドーム広場のクリスマスイルミネーション。雪が降るなかで
パリの広場やロータリーでは、11月中ごろからクリスマスツリーが飾られるようになった。
シャンパンゴールドのライトで彩られたツリーは、シンプルながらパリの風景によく映える。イルミネーションがひときわ輝いて見えるのは、パリに「ネオン」が少ないからだろう。
※オペラ座裏手のクリスマスツリー
一方、チュイルリー庭園では、今年も恒例のクリスマス・マーケットが始まった。
パリオリンピック・パラリンピックの聖火台で注目を集めたチュイルリー庭園は、普段はとても静かで、日が暮れれば暗くなってしまう場所。しかし今ではソーセージやワッフルの美味しそうな香りが漂っていて、寒さの中にあたたかな雰囲気を感じることができる。
※チュイルリー庭園のクリスマス・マーケット
雪が降った日には人通りが少なかったものの、ホットワインを片手に談笑する人々の笑顔が見られ、こちらも嬉しくなった。
今のフランスは、ホットワインが身に沁みるほど寒い。屋台で手渡されたカップの温もりが、冷えた指先にじんわりと広がっていくようだった。
※ワインの産地らしい、素敵な装飾の屋台
街路樹に美しいイルミネーションが灯るのは、パリ8区の「モンテーニュ通り」だ。
しかし、見どころは街路樹だけではない。シャネル、ディオール、セリーヌといった高級ブティックが立ち並ぶモンテーニュ通りでは、それぞれの店舗が独自のクリスマス・デコレーションを展開している。
通り全体がきらびやかに変身するモンテーニュ通りは、人通りも交通量も比較的少ないので、クリスマスの「穴場スポット」として是非おすすめしたい。
※雪景色に映えるディオールのブティック
さて、パリ市民が毎年楽しみにしているクリスマスの風物詩がある。それは、老舗デパートが繰り広げる「圧巻」のクリスマス・デコレーションだ。
この時期、デパートのショーウィンドーは軒並みクリスマス仕様になる。各デパートは毎年テーマを設定し、それに基づいたユニークなデコレーションを展開するという。
※パリのプランタンデパート。今年のテーマは「プランタン・クリスマス・トレイン」
そのうちの一つ、プランタンデパートでは、11月7日に名物の「クリスマス人形劇」が始まった。
ショーウィンドーの前には、釘付けになるたくさんの子どもたちの姿が見られる。そんなクリスマス名物も、今年でなんと50周年を迎えるという。
※電車の旅はウィンドウからウィンドウに。最初の停車駅はレストラン車両!
お隣にあるギャラリー・ラファイエットも、2024年で開業130周年という節目を迎えた。
‘毎年圧巻のクリスマスツリーを見せてくれるギャラリー・ラファイエットだが、今年のテーマはもちろん「LE 130e NOËL(130回目のクリスマス)」!
構成とデザインは、パリ五輪の閉会式でコスチュームを担当したケヴィン・ジェルマニエ氏が手がけた。
※今年は一段とポップなクリスマスツリー
ギャラリー・ラファイエットの巨大ツリーは1976年以来、毎年飾られている。「昨年はこうだった、一昨年はこうだった・・・」と、パリジャンたちが批評するところも含めて、“クリスマスの風物詩”といえるだろう。
ツリーの企画は約1年前から始まるというから、2025年のデザインもすでに構想が練られているのかもしれない。
※美しいクーポール(天井)に映えるツリー。毎時0分と30分には光のスペクタクルも
こうして華やかなデコレーションに包まれたパリでは、会社員や学生さんたちが少しずつクリスマス休暇に向かっている印象を受ける。
クリスマスはフランスでも家族が一堂に会する大切な日だ。日本のお正月に似たようなイメージだが、フランスの人々はこの特別な季節をこよなく愛している。
※ギャラリー・ラファイエット・シャンゼリゼ店のクリスマスツリー
例年より寒く、雪もふたたび降りそうなフランス。もしかしたら今年はホワイトクリスマスが期待できるかもしれない。(お)