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パリ最新情報「猛暑のパリでじわりと広がる、冷やし中華ブーム!」 Posted on 2022/07/31 Design Stories  

 
パリでは数年前から日本のラーメンが大ブームとなっていた。
日本食レストランが立ち並ぶオペラ地区を歩けば、人気ラーメン店には毎度長蛇の列ができている。
パリのトレンドは火が付くのも早ければ消えるのも早い…といった印象があるのだが、ラーメンだけは全く衰えを見せることがない。
それどころか、パリにおける日本食といえば「寿司」以上に「ラーメン」というイメージが定着したようにも思える。

ただ、フランス人にとって麺とは熱々で食べるもの。
ラーメンだけでなく、蕎麦もパスタもうどんも、冷製の麺はこれまで食べる習慣がなかった。
ところが最近の猛暑を受け、フランスメディアでは日本の「冷やし中華」のレシピを次々と紹介するようになっている。
「見た目で涼をとる」ことをしなかったフランス人だが、ここにきて冷やし中華が注目を浴びているというのだ。
 

パリ最新情報「猛暑のパリでじわりと広がる、冷やし中華ブーム!」



 
もちろん、オペラ地区のラーメン店では以前より冷やし中華のメニューを置いていた。
日本と同じように夏季限定で、だいたい6月末から9月くらいまでの間に登場する。
店頭には冷やし中華のポスターが貼られている所もあり、「これは何だろう?」と不思議そうに眺めるフランス人の姿も。
店内を見渡してみると、真夏でも熱々のラーメンをすするフランス人はやはり多いものの、冷やし中華を注文している人も少なからずいた。
 

パリ最新情報「猛暑のパリでじわりと広がる、冷やし中華ブーム!」

※パリの冷やし中華。13ユーロ(約1820円)

地球カレッジ



 
以前、フランス人にざる蕎麦を作って披露したところ、「美味しいけど…」と首を傾げられてしまった経験がある。
彼らによると、味の問題ではなく「麺を冷たくして食べるという習慣がない」ため驚いた、とのことだ。
しかしそれも数年前の出来事。
今年のように40℃を越す猛暑がやってくるなど想像もしなかった頃だ。

2022年夏のパリは暑く、27°C〜40℃の間を行ったり来たりとなかなか落ち着かない。
そのため冷たい食べ物も以前より求められるようになったわけだが、パリの情報サイトは冷やし中華をこう紹介している。
「暑くて大好きなラーメンが食べられない時、良い解決策があります。それは冷たいラーメンです。日本では“Hiyashi Chuka(冷やし中華)”と呼ばれています。不思議に思うかもしれませんが、これだけ気温が高いと冷たいラーメンはとても快適なのです。冷やし中華は、首都圏を席巻している新しい食のトレンドです。なんという時代だろう!」

と、冷たい麺は、これほどフランスでは珍しいものだった。
ところが最近では日本人経営の店だけでなく、フランス人が発案する冷やし中華メニューも登場している。
 

パリ最新情報「猛暑のパリでじわりと広がる、冷やし中華ブーム!」

※フランス人が経営する「ガイジンラーメンラボ」の冷やしラーメンキット



 
ガイジンラーメンラボは、パリジャンの男性二人が経営する日本のラーメン店だ。
イートインの店舗は持たず、販売はテイクアウトか真空パックのキットのみ。
日本には何度も足を運んだ経験があり、ラーメンが大好きになったのはもちろん、自身が「外人」と呼ばれることにも興味を持ったという。
日本に染まるあまり、パリに戻ったら今度は自分が外人になってしまっていた…というフランス人らしいユーモアでこの名が付けられた。
 

パリ最新情報「猛暑のパリでじわりと広がる、冷やし中華ブーム!」

 
BIOラーメンというのが特徴で、小麦はヴェルサイユ地方で採れたものを使用している。
冷やし中華はここでは「HIYASHI」という名で販売されており、今年から夏の看板メニューとなった。
日本の冷やし中華とは似て非なるものではあるが、これはこれで美味しい。
どちらかというと冷やしつけ麺に似ている、という印象も持った。

これまでは自宅で作るしかなかった冷たい麺類が、こうしてパリで流行しているのは有り難い。
暑いフランスで次は何が流行るのか?楽しみでもある。(る)
 

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