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パリ最新情報「仏政府、漫画家の高橋留美子さんに芸術文化勲章『シュヴァリエ』を授与」 Posted on 2023/04/17 Design Stories  

 
4月6日、『うる星やつら』『めぞん一刻』などで知られる漫画家の高橋留美子さんに、フランスの芸術文化勲章「シュバリエ」が仏政府から授与された。
フランスの芸術文化勲章(l’Ordre des Arts et des Lettres)とは、仏文化省が運用する名誉勲章である。
1957年に初めて創設され、「芸術・文学の領域での創造、もしくはフランスや世界での普及に傑出した功績のあった人物」に贈られる。
なお現在はシュヴァリエ(騎士)、オフィシエ(将校)、コマンドゥール(司令官)の3つの等級からなっている。



 
日本人の漫画家としては過去、鳥山明氏、大友克洋氏、松本零士氏らがシュヴァリエを受勲している。
しかし初の快挙となったのは2011年、『孤独のグルメ』や『遥かな町へ』で知られる谷口ジロー氏であった。
フランスは日本に次ぎ、世界で第2位の漫画消費国となっている。
昨年2022年にはフランス市場だけで3億8100万ユーロ近くの売上高にもなった。
このような実績からも、漫画はすでに一種の“芸術ジャンル”として仏国内で定着している。
 

パリ最新情報「仏政府、漫画家の高橋留美子さんに芸術文化勲章『シュヴァリエ』を授与」

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女性漫画家としての高橋留美子さんは、フランスでも以前から非常に知名度が高かった。
2019年にはフランスの「アングレーム国際漫画フェスティバル」でグランプリも受賞している。
同氏の作品で特に人気なのは『犬夜叉』『らんま1/2』『うる星やつら』で、現在の40代フランス男性を中心に広く親しまれている。
また高橋留美子さんの作品には日本の日常が描かれていることが多い。
フランスの人々はそのような内容を含めてファンになったといい、現在のパリにおけるおにぎり、ラーメンといった日本食ブームに火をつける結果にもなった。
 



 
2011年の谷口ジロー氏以降、フランスの文化省はシュヴァリエの称号を日本人漫画家に次々と授与している。
今回の発表を受けた仏各紙は、「漫画家としての高橋留美子さんは、世界で最も有名な創造者の一人である」などと報道した。(オ)
 

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