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パリ最新情報「シャンゼリゼ大通り、4000人超が参加する巨大ピクニックを開催!」 Posted on 2024/05/27 Design Stories
5月26日、シャンゼリゼ大通りが巨大なピクニック会場に生まれ変わった。
駆けつけた参加者はなんと4400人。石畳の道はギンガムチェックの敷物で覆われ、青空の下での和気あいあいとしたピクニックになった。
※長さ216メートル、面積4000平方メートルの巨大な敷物が登場。
これはパリ市民も旅行者も、誰もが参加できる“無料の”ピクニックで、シャンゼリゼ委員会が企画した特別なイベントである。
目的は、シャンゼリゼ大通りが「ショッピングのためだけにあるのではない」とみなに伝えるため、そして離れてしまったパリジャンたちに「戻っておいで」と伝えるため。
ただ参加は抽選制となっていて、4000人の枠に対し27万3000人以上の申し込みがあったという。※実際は400人多い4400人が当選。
運よく当選した人は、手ぶらで参加がOKだった。会場では一人ひとりにクッションが渡されたほか、バスケットに入ったランチセットが配られた。
ランチセットを用意したのは、ラデュレ、カフェ・ジョワイユ、ル・フーケなどシャンゼリゼの有名店8カ所だ。
メニューはそれぞれ異なるが、バスケットにはバゲットサンドイッチやりんご、袋入りのチップスなど、フランスらしい顔ぶれが並んでいた。
手の込んだ料理を必要としないフランスのピクニックでは、こうして「片手でつまめる」簡単メニューが一般的となっている。
※バスケットはお土産として持ち帰ることができた。
ギンガムチェックもまた、フランス流ピクニックに欠かせない。
フランスのキッチンでよく目にするギンガムチェックは、ピクニックにおいても定番のカラーだという。敷物やナプキン、カゴバックの内布まで見かけるギンガムチェックは、フランス人にとってピクニックを連想させる模様なのだそうだ。シャンゼリゼ大通りがギンガムチェックで覆われた理由はこれにあった。
※Le Journal du Geek 公式Xより
https://x.com/journaldugeek/status/1794707755208761701?s=12
飲み物も用意されたが、参加者にはマイボトル持参が推奨された。というのは今回、シャンゼリゼ委員会が「環境にやさしいピクニック」を宣言したためである。使い捨てプラスチックは完全に禁止され、ゴミの量は最小限となるようまとめられた。
また、マイボトルのない人には洗って再利用できるエコカップを配布。各ブースに無料のフォンテン(給水機)が設置され、そこからみな自由に水を汲むことができた。
なお余った食材はパリのチャリティー団体が回収し、のちに必要な人々に配られたという。
そんなピクニック大会は12時、14時の回と二つに分けられた。
12時過ぎにはパリのアンヌ・イダルゴ市長と、エリゼ宮の元料理長であるシェフ、ギヨーム・ゴメス氏が登場し、会場の雰囲気を盛り上げる。
途中、景品が当たる抽選会や記念撮影会が行われるなどして、なごやかな雰囲気で時が進んでいった。
シャンゼリゼ大通りでユニークなイベントが開催されるのは、2019年の野外映画館、2023年のディクテーション(フランス語の聞き取り)大会に続き、今回で3度目だ。今後はこうしたイベントが毎年企画されると報じられている。
このたびのピクニックは一番ほのぼのとした雰囲気だったが、それと同時に、ピクニックで出やすいゴミについて再考するよい機会だったと思う。(内)