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パリ最新情報「パリの老舗カフェ、『カフェ・ド・フロール』がテーブルウェアになって登場!」 Posted on 2023/04/18 Design Stories
1887年の開業以来、パリのサン=ジェルマン・デ・プレ地区で賑わい続けるカフェ・ド・フロール(Café de Flore)。
ここはパリの文化人たちが集ったカフェとして、今なお褪せない魅力を宿す伝説的場所となっている。
ボーヴォワール、ジャン・コクトー、ヘミングウェイからピカソまで通った…という代名詞で紹介されることの多いカフェ・ド・フロールだが、これは過去、文学雑誌の『レ・ソワレ・ドゥ・パリ』の編集室がカフェの一階に置かれていたことに関係している。
そこから華やかな社交場として、文化人たちの行きつけカフェに変貌したのがカフェ・ド・フロールだ。
そんな老舗カフェが、最近ではドラマ『エミリー、パリに行く』効果で再び脚光を浴びているという。
そしてもう一つ、カフェ・ド・フロールに新たな話題が登場した。
パリの注目ショップMarin Montagut(マラン・モンタギュ)とのコラボである、オリジナルのテーブルウェア・シリーズだ。
イラストレーター&クリエイターのマラン・モンタギュ氏が率いるこちらのショップは、カフェ・ド・フロールから歩いて10分ほどの所にある。
店内には同氏がペイントしたグラスや食器がたくさん並べられていて、新しいのにアンティークな「新旧共存」、というパリの雰囲気をそのまま体現したブティックとなっている。
水彩画を生業とするモンタギュ氏は、以前からカフェ・ド・フロールを描くことが夢だったそうだ。
念願の夢が叶い現れたのは、ティーポット、プレート、マグカップ、ナプキン、グラスなどなど多数のテーブルウェア。
朝食メニューの定番であるクロワッサンやタルティーヌがそれぞれに描かれている。
またカフェ・ド・フロールのラタンチェアは、こちらのカフェだけに作られた特注品なのだとか。
そんなテーブルセットに敬意を表したお皿とナプキンのシリーズが可愛らしい。
カフェ・ド・フロールの実際のメニューは、一冊の単行本のようなデザインにもなっている。
事実、カフェ・ド・フロールは1994年から、将来が期待される若手作家に対して文学賞(Prix de Flore、フロール文学賞)の授与も行っているということだ。
※文学カフェとしての伝統が今も残るカフェ・ド・フロール。こちらのメニューのモチーフは、今回登場したスケッチ帳のカバーにもなった。
カフェ・ド・フロール店内では銀器が使われている他、オリジナルグラスなどの物販も行われている。
マラン・モンタギュとのコラボアイテムは、本店のものとは素材が異なるが、見た瞬間に“あのカフェ”にトリップした気分にもなる。
最近では日没が20時半過ぎと、グッと日が長くなったフランスだ。
テラス席が楽しくなるこの季節、素敵なテーブルウェアで気分を盛り上げたい。(コ)