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パリ最新情報「新しいコロナ派生株『BQ.1.1』、欧州で拡大中。まもなくフランスで優勢へと報道」 Posted on 2022/10/20 Design Stories
10月18日(火)、フランスの新規コロナ感染者数は87,666人となり、第8波の開始以来3番目に高い数字を記録した。
なお人口10万人あたりの陽性例は575.8人、感染速度も前週から「ほぼ横ばい」となっているが、入院患者数の合計は19,948人(うち重症患者数は1,069人)と前週より増加傾向にある。
フランスにおける第8波の特徴は、第7波で流行したオミクロン型がほとんどであるということだった。
しかし現在、オミクロン型の新たな派生株BQ.1.1(通称ケルベロス)が欧州で急拡大中だというニュースが駆け巡っており、まもなくフランス国内でBQ.1.1が優勢になるとさえ報道された。
この新たな新型コロナウイルスBQ.1.1はオミクロン型の亜種で非常に感染力が強く、2022年8月に初めてイングランドで確認された。
BQ.1.1は他の変種よりも顕著に胃の障害(下痢や嘔吐など、胃腸炎に似た症状)を引き起こすと考えられていたが、仏保健当局は「科学的な論文で証明されたものではなく、この亜種の特徴や潜在的な影響を評価するにはまだ時期尚早である」と発表している。
しかし気になるのはその感染スピードだ。
フランスでは、BQ.1.1の陽性例が9月末に6%であったのに対し、10月初旬には16%を占めるようになっている。
そしてその進行具合はかなり急速で、仏紙L’Indépendantは「今後数週間のうちにフランスで主流になる可能性が高い」とも伝えた。
またBQ.1.1の主な特徴はその免疫回避性にあるという。
BQ.1.1はこれまでに新型コロナに感染して得た免疫や、ワクチン接種によって得られた免疫をかなりの確率で回避する可能性があり十分な注意が必要だ。
欧州疾病予防管理センターは9月、このBQ.1.1を「関心のある」変異型と表現しており、より狡猾に免疫バリアをすり抜ける可能性があるとしている。
イギリスやドイツ、北米などで急拡大しているのはそのためであるが、他のオミクロン株より重症化するかどうかについては現段階ではまだ分かっていない。
フランスでは、現在までに5,450万人以上の国民が少なくとも1回のワクチン接種を受け(総人口約6,790万人)、4,070万人がブースター接種を受けている。
よって国民の大多数はワクチン接種済みか感染済み、あるいはその両方であるとされているが、BQ.1.1の免疫回避性、そして万聖節のバカンス中(11月1日を前後とした約2週間の学校閉鎖期間)の人出増加などでさらなる感染増が危惧されている。
こうした連日の報道によるものなのか、最近のフランスでは公共交通機関でマスクを着用する人が目立って増えてきた。
サル痘の流行は全国的に収束したものの、2022年の秋はBQ.1.1に加えインフルエンザや気管支炎、そしてさらにデング熱(現在の患者数は61人、フランスで過去最大)といった感染症がフランス国内で広がりを見せている。
公共交通機関でのマスク着用は依然として「強く推奨」のままだが、このような諸々の再流行を受け、仏政府は10月12日に「最大限の警戒を」と新たに呼びかけた。(大)