欧州最新情報

パリ最新情報「日本でもやってほしい。これは素晴らしい、食料品バンク!」 Posted on 2020/11/28 Design Stories  

11月27日から3日間、フランスのスーパーなど50店舗の入り口にてボランティア団体「Banque Alimentaire(食料品バンク)」が活動している。

ところが、店舗内での現金のやり取りは禁止されているのだ。そのため、客がスーパーで買った商品を帰りに出口にいるボランティアのスタッフさんに手渡す、という方法がとられている。
約700人のボランティアがオレンジのベストを着てこの活動に参加しており、目標は60トン分の食料をこの3日間で集めるというミッション。
集められた商品は32箇所のアソシエーション事務所に分配される。
主に寄付されるものは缶製品やオイル、小麦粉にパスタなど、それに加え、生理用品などの衛生用品や赤ちゃんのおむつなどである。

パリ最新情報「日本でもやってほしい。これは素晴らしい、食料品バンク!」



筆者の家の近くのスーパーでも行われており、少しだが寄付をしてきた。
こういう時、何が必要か考えるのは難しいが、ボランティアの人は「なんでも良いんです、もらった人はきっと笑顔になります」と言っていた。

今年の調査によると、支援が必要な家庭は去年の20~25%増しであるということが明らかになった。
ちなみに2019年、ノルマンディ地区では1995トンの商品が6650家庭に配られた。
具体的にいうと、14450人の手に支援品が渡った。
換算すると約400万食に相当する。



フランスはカトリックの国であることもあり、こういうボランティアに参加する人はとても多い。
しかし、新型コロナの影響もあり、今年はこの活動に賛同してくれるボランティアがやや少ないらしい。
ボランティア自身、自分たちも食べるのが苦しいほど、コロナによる経済危機で貧困層が大幅に増加し、経済が細っているからでもある。
本来であれば、こういう時期だからこそ、食料品バンクが必要であるはずなのに。

パリ最新情報「日本でもやってほしい。これは素晴らしい、食料品バンク!」



特に、就職先が見つからない学生や若者の貧困も問題になっている。
フランスには学生用のレストラン、Restaurant universitaire、通称「RESTO U」と呼ばれる給食システムがあり、学生証を持つ大学生や留学生であれば、破格の金額で食べることができる。
パリにも数カ所あり、今年度は一食3.3ユーロ(400円くらい)で、前菜、メイン、デザートがついている。
大学や会社の食堂のようなものと考えていただければ良い。
まずお盆を取り、前菜、メイン、デザート(18年前は少し選択があった)を取り、最後に学生証を見せ、支払いをする。
シンプルなサンドイッチでさえ、5ユーロ(650円くらい)もする。5ユーロ以下でお腹いっぱい食べられるこの制度は有難い。
しかし、残念なことに、現在はコロナのせいで全て閉まっており、困っている学生がたくさんいる。
とにかく、コロナが貧困層にもたらした影響は計り知れない。

その中で、今週末の三日間、開催されている「Banque Alimentaire(食料品バンク)」、在仏日本人の皆さん、ぜひ、ご参加を! (井)

自分流×帝京大学
地球カレッジ