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ドイツ最新情報 「晩婚化がすすむドイツ、初婚年齢はさらに上昇へ」 Posted on 2024/02/16 Design Stories
先日連邦統計局より2022年度のドイツ人の初婚平均年齢が発表された。女性が32.6歳、男性が35.1歳とどちらも過去最高を記録。20年前と比較すると、女性の初婚年齢は3.8歳上昇、男性は3.3歳上昇し、晩婚化がさらに進んでいることが明らかになった。
日本の平均初婚年齢は女性が29.4歳、男性が31.1歳なので(厚生労働省の統計より)、ドイツは日本よりもさらに晩婚化が進んでいることになる。
ドイツで2022年に初めて結婚した人は60万9800人。そのうち30 歳未満は36%で、この割合は20年前の52%から大幅に減少している。逆に、 中高年での結婚願望は高まっているようで、初婚年齢が40~49歳だった人は2002年には6%弱だったのが10%強に上昇。また、初婚年齢が50歳を超える人の数はさらに大幅に増加しており、2002年の1%(約7500人)から2022年には7%(約41500人)となっている。
統計学者らは、この変化には高齢化が進む人口の年齢構成の変化も影響しているとみているが、理由はそれだけではないだろう。
では、ドイツの晩婚化の理由はなんだろうか。
まず考えられるのは、社会に出る年齢が遅いこと。ドイツでは日本の小学校から高校にあたるまでの教育期間が13年という学校が多い(近年は12年の学校もある)。そして、高校卒業後はすぐに大学に進学せず、旅に出たりインターンシップをしたりして1-2年ほど時間をあけて進学する学生もたくさんいる。
また、より良い仕事を得るために大学院に進む学生も多く、さらにその先の学位であるPhDまで取得する学生も少なくない。実際、企業の職種によっては応募資格を大学院卒以上にしているところもたくさんある。学生期間が長くなると、社会に出る年齢も遅くなり、最初の仕事に就くのが20代後半。そこからキャリアをスタートさせ、生活基盤ができるまで数年かかり…となると結婚が遅くなるのも容易に想像できる気がする。
ドイツ人の友人たちにドイツの晩婚化の理由を聞いてみたところ、以下のような意見が寄せられた。
若い世代が結婚することに意義やメリットを感じていない
先行きが不透明な今の時代、自分のことで精一杯で誰かに対して責任を取る余裕がない
離婚した時の経済負担を考えると結婚に踏み切れない などなど
この辺りは最近の日本人の若い世代が結婚しない理由と似ているのかもしれない。
いずれにしても、もし若い世代が上の世代を見て結婚に魅力を感じなくなっているのだとすれば、それは少し寂しいことのような気がする。次回の調査が行われる時には、間違いなく今よりも人口は高齢化しているはずだが、初婚年齢はどこまで上昇しているのだろうか。(マ)