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パリ最新情報「再びコロナ感染拡大、BA.5にどう立ち向かう?」 Posted on 2022/07/18 Design Stories
日本のコロナ感染者が再び増加を続け、ここ数日、1日の新規感染者は10万人超え。これから夏休みというタイミングでの第7波到来、このまま行くと日本は今までで最大の感染者を記録する可能性というニュースが繰り返し流れている。
今、蔓延しているのはオミクロンBA.2から派生したBA.5と言われているが、BA.5は南アフリカで発見され、まず、ポルトガルで感染が爆発した。現在フランスでは、感染者の71%がBA.5に感染している。感染力は従来株の1.4倍、肺への影響は、BA.5では従来株より18倍のウイルスが肺で確認されたという研究結果もあるようだ。
その他、感染から発症まで2日と潜伏期間が短いこと、免疫をすり抜け再感染する可能性が高いというのも特徴である。4回目のワクチン接種に踏み出す人が少ないことや、ワクチンを接種していることで重症化は避けられても感染の予防にはならないこと、などが感染者を増やし続けていると言われている。
BA.5に感染した人の主な症状は、発熱、咳、喉の痛み、異常な疲労感など、よく知られているコロナの症状に加え、鼻水、吐き気、嘔吐などもあげられている。
感染が拡大し始めた6月半ばにフランス公衆衛生局が発表した症状の割合は、疲労(感染者の72%)、咳(感染者の52%)、熱(56%)、鼻水(49%)、頭痛(50%)、喉の痛み(38%)、熱っぽい(17%)吐き気・嘔吐(17%)、味覚、臭覚の喪失(16%)、息切れ(14%)、下痢(14%)、呼吸困難(7.3%)。症状は比較的軽いと言われているが、実際にBA.5に罹った友人(ワクチン3回接種済)は腹痛と発熱でとても苦しんでいた。
フランスの感染者は7月初旬をピークに、現在の1日の感染者は平均12万人で、感染者は引き続き多いもののピークアウトをした印象がある。しかし、友達が陽性、仕事仲間が陽性、というのが日常的で、無症状だったのに陽性という人も多い。
再感染も多く報告されており、オミクロン株は免疫ができにくいとみられている。フランスでは一度コロナ陽性になるとワクチン1回分と計算されていたが、オミクロン株に関してはこれが通用しない可能性もある。
とはいえど、フランスはこれだけ感染が再拡大してもマスク着用率はとても低い。これまで、ワクチンパスポートやマスク着用義務など、厳しい規制を強いられてきた欧州なので、全てを以前の生活に戻してしまった以上、もう新しい規制が承認されるとは思えない。
1日の感染者が何人でようと、欧州はもうすでに夏休みに突入しているので、空港や駅は人で溢れかえり、バカンス地では毎晩大騒ぎ、が繰り返されている。パリから人が居なくなり、バカンス地での陽性発覚が多発しているようだが、もう誰も止められないというのが欧州の現実だろう。
日本のマスク着用率はほぼ100%と言っても言い過ぎではないが、レストランはどこも賑わっており、これから夏休みに入るため、人の移動も増える。各地、お祭りなどで賑わう様子をニュースで見ると、感染が再拡大しているから旅行や遊びの約束をキャンセルするという人たちは、フランス同様、少ないだろう。
しかし、感染が増えると病院は確実に入院患者が増えていき、残念ながら死者も増加してしまう。高齢者や基礎疾患を持っている人などに感染をさせてしまわないよう、一人一人が気を引き締めて生活することが大切になる。(い)