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パリ最新情報「フランスでオーロラが出現。大規模な太陽フレアで」 Posted on 2023/02/28 Design Stories
2月26日〜27日の夜にかけて、北フランスの一部でオーロラが観測された。
オーロラといえば最も魅力的な気象現象の一つであるが、肉眼で見るには北極か南極のどちらかに近づく必要がある。
そのため仏天文学者はこの現象を「非常に珍しく、貴重な機会」だとし、当日は多くのプロカメラマンがはるばる北フランス・大西洋側方面まで足を延ばしたという。
フランスで実際にオーロラが観測されたのは、2月26日(日)と27日(月)の夜22時〜0時にかけて。場所は局地的なもので、ベルギー国境に近い北フランス、パ・ド・カレーからノルマンディー地方の一部、そして27日にはブルターニュ地方でも確認されている。
フランス国内では非常に珍しいとのことだが、この両日は海をまたいだイギリスでもオーロラが見えたと報告された。
フランスでオーロラが出現したことについて、仏天文学者のエリック・ラガデック氏は「大規模な太陽フレアが発生し、その影響が地球に及んだため」だと説明する。
同氏によれば、オーロラの大きさは太陽フレアの大きさに左右されているが、今回は非常に強いものだったため、北極圏をはるかに超えてオーロラが出現した、とのことだ。
二日間のうち、よりはっきり見えたのは26日だったというが、翌27日には人口の多いブルターニュ地方にもオーロラが現れ地域の人々に感動を与えたそうだ。
※仏気象庁も27日22時頃に「ブルターニュ地方でオーロラが観測された」と発表している。
Une aurore boréale au dessus du Finistère… déjà que c'est magnifique en général le Finistère, je n'ai pas de mots là 👇🙂 https://t.co/ZQNr3Q66b4
— Eric Lagadec (@EricLagadec) February 28, 2023
さらに27日には、モン・サン・ミッシェルの上空に浮かぶオーロラも確認されている。
しかしモン・サン・ミッシェルの空に現れたオーロラは30秒〜1分間だけだったといい、偶然居合わせた人々は「魔法のような、忘れられない瞬間だった」とSNSにて述べている。
当日のブルターニュ地方には多くのフォトグラファーが訪れており、ベストショットを撮ろうとしていたそうだが、モン・サン・ミッシェルとオーロラの撮影に成功した人は、「この緯度で想像だにしなかったオーロラを撮影できるなんて、なんという喜びだろう」などとコメントしている。
A gauche : côté Bretagne 😍😍 https://t.co/6myHplZXqK
— Météo Bretagne (@MeteoBretagne) February 28, 2023
今回現れたオーロラは、太陽フレアが収まる影響で28日以降には完全に消えてしまうという。
ただラガデック氏が言うには、太陽は2025年に活動のピークを迎えるので、数年後に再び同じような現象が起こるかもしれないということだ。
またこの太陽フレアは、光の速さで進む閃光を放つが、閃光に含まれた粒子が地球の極にある磁場と相互作用しオーロラを発生させているのだという。
仏天文学者らは、「オーロラを肉眼で見るには夜間照明といった光源から遠く離れ、暗闇の中で北の地平線を眺めていてください」と説明する。
そして将来もこの珍しい現象が再び起こるとすれば、フランス北部のオー・ド・フランス地方が有力だとした。
オーロラは通常、フィンランドやアイスランドといった北極圏でも見るのが難しい。
そのため遠くフランスまで届き、そして肉眼で確認できたのは本当にレアなことだったと言える。
今回は大規模な太陽フレアと、先日から続く快晴の天気という、いろいろな運が重なってオーロラが発生した。(オ)