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欧州最新情報「エネルギー危機に揺れるドイツ、エネルギーを自給自足する時代に」 Posted on 2022/07/23 Design Stories  

ここ数日、40度近くを記録するような猛暑が続いたドイツだが、この暑さにも関わらず、電気の暖房器具、暖炉、暖炉用の薪、が売れに売れているとのこと。というのは、冬場にエネルギー不足で暖房が止まるのではないか、という恐れがあるからだ。

日本では電力不足対策のため、原子力発電所が最大で9基稼働すると報道されていたが、ドイツでも冬場にむけてどのようにエネルギーを確保するのか、というのがここ最近の大きな話題である。

そのエネルギー不足の大きな原因は、ロシアからの天然ガスの供給が大幅に減少したためで、これはウクライナを支援するドイツに対するロシアの報復措置だが、ドイツはロシアに天然ガスの50%以上の供給を頼っており、ロシアからのガスの供給が止まると大問題なのだ。

日本と違いドイツでは家庭での暖房は電気ではなく5割以上がガスで、ガスが供給が止まることは暖房だけではなく給湯も止まることになる。家庭だけではなく、産業界にとっても打撃は大きく、特にガスの消費量が多い化学会社やガラス会社への影響は深刻である。

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政府はエネルギーの節約を呼びかけており、経済相が「シャワーの時間を短くしてほしい」と発言したりしているが、個人の節約だけではこの危機を乗り越えるのは難しいだろう。

ドイツ国中がエネルギー危機であたふたしている中、そんな心配とは全く無縁の村がある、と話題になっている。その村は、バイエルン州の人口約1000人の小さな村、グロスバードルフ村で、ここでは再生可能エネルギーだけで村が必要とする電力の15倍もの電力を生成している。取り組みが始まったのは2005年で、まず郊外に共同ソーラーシステムを設置し稼働を開始。市民が協同組合を設立し、エネルギー事業に取り組んできた。
その後も2011年にはバイオガスプラントが稼働し、エネルギー供給は順調に増加。現在グロスバードルフ村の市長は、全国各地から「どうやってエネルギーの自給自足を達成できたのか」という問い合わせの対応に追われているそうだ。

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<グロスバードルフ村のソーラーシステム。ニュースサイトTagesschauより>

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<グロスバードルフ村。ニュースサイトTagesschauより>



個人でもガスに依存せずエネルギーを確保しようと、屋根にソーラーパネルを設置する家を最近多く見かけるようになった。友人の家は屋根の全面にソーラーパネルが設置されており、家の暖房、給湯、電気自動車の充電はほぼこれだけで十分なのだそう。屋根一面ではなくても、小型のソーラーパネルをベランダに設置する家庭も増えている。

これから迎える冬を乗り切れるのか、ドイツの厳しいエネルギー事情は予断を許さない状況のようだ。(マ)

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<ソーラーパネルを設置した友人宅>

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