欧州最新情報

パリ最新情報「絶対に笑ってはいけないシリーズではないが、コロナ検査事情」 Posted on 2020/12/09 Design Stories  

クリスマスを前に、笑えない出来事が起こっている。
笑えないと書いたが、筆者はこの話しを聞いた瞬間、思わず噴き出してしまった。
筆者の友人は日本人妻で、フランスの家族に嫁いで早20年。
毎年、クリスマスには両親の実家でお祝いをするのが、習慣である。
お父さん、お母さんが暮らす田舎の家にご主人の兄弟の家族たちが集結するのだが、ご存じのように、今年はコロナ禍であるから、どうやら、70代半ばのお父さん、お母さんは不安で仕方がない。当然だろう。
そこで、彼女のご主人の提案で、集まる者全員が23日にコロナPCR検査を受けることになった。
23日のテストで陰性だとわかれば、24日にお父さん、お母さんも安心して会うことが出来る、というので、これは素晴らしいアイデアだということになり、一族全員が検査をやっている薬局に申し込みをした。





現在フランスでは薬局でPCR検査を受けることが出来る。
あと、区役所内にはテントが設置され無料で受けることもできるが、23日は同じような考えの人で混雑が予測されるので、友人家族はお金を払ってでも待ち時間のない薬局を選択したのである。
日本は検査数が欧州に比べると少ない。まぁ、一概に、検査数を増やせばいいとということではないが、しかし、全体が見えることで方針が立てやすく、現実の状況が分かる。
人口1億人超の日本は一日だいたい4万検査くらい(最大9万検査が出来るようだ)、で、人口が日本の半分のフランスは毎日、30万検査を毎日、行っている。
政府分科会の尾身会長は「クラスターを追いかけられない」と衝撃的な発言をしたが、やはり検査をきちんとしていないと、追跡は難しいだろう。
フランスはそ追跡するシステムを開発し、普及につとめている。このアプリを携帯にDLしているだけで、コロナ陽性者と接近したかどうかが通報される。現在、1200万人がDLしている。クラスターを追跡する効果は出ているようだ。



話しがそれたが、検査はどこでも誰でも受けたい時に出来ることが感染抑止に実はとっても重要である。
パリの区役所だと無料だから、敷居も高くない。23日に家族全員が検査をし、24日をすがすがしい気持ちで迎えようというこの家族と同じ作戦をとる人たちが多いのじゃないか、と想像される。
ところがお母さんがぽつりを全員に以下のようなメッセージを送って来た。
「23日にみんなで検査をするのは素晴らしいアイデアだけど、もし、家族の中に陽性者がいた場合は、どうなるの?」
誰一人、陽性になることを想定していなかった、ようだ。
お母さんのこの疑問に対して、今だ誰一人、返事を戻せていないのだという。さて、この家族はクリスマスに再会し、お祝いすることできるだろうか? 朗報を待て。(中)

パリ最新情報「絶対に笑ってはいけないシリーズではないが、コロナ検査事情」

自分流×帝京大学
地球カレッジ