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パリ最新情報「フランスを襲うコロナ第5波。新しい対策が発表された」 Posted on 2021/11/26 Design Stories
フランスは11月13日時点で19,778人だった新型コロナ感染者数が、11月23日には30,454人まで上昇(1週間で50%増加)。新型コロナ感染、第5波が予測以上のスピードでフランスを襲っている。
政府は「ワクチンの効果が低下している」ことを繰り返し国民に説明。先日、ワクチン2回接種を終えているカステックス首相が新型コロナに感染したことがニュースになったばかりであった。
この状況を受け、今日11月25日(木)、オリビエ・ヴェラン保健相は新たな対策を発表した。
保健相は、「自由と責任」を両立させ、国民の生活に制限を加えることなくこの第5波を乗り切ることができると考えており、そのための「ロックダウン、夜間外出禁止令、店舗の時短、移動制限などは行わない」と断言。
そのために発表されたフランスの新しい対策は以下の通りである。
ーワクチン3回目接種の強化
現在65歳以上の国民に向けられているワクチンの3回目ブースター接種が、11月27日より、2回目の接種から5ヵ月経っている18歳以上の成人全てに拡大される。また、1月15日からは18歳から64歳までの人(65歳以上は12月15日から)に対し、「2回目の接種から7ヶ月経つと衛生パスが無効になる」ことも併せて発表された。
ーコロナテスト証明の有効期限の短縮
ワクチン接種しておらず、抗原検査やPCR検査を利用して衛生パスを取得している人に対し、11月29日(月)よりその有効期間が72時間から24時間に短縮される。
しかも、テスト結果を受け取った時点からではなく、テストを行った時点からの24時間であると保健相は付け加えた。抗原検査は15分ほどで結果がでるが、PCR検査では結果が出るまでに24時間かかることもあり、実質、衛生パスを取得することは難しい。
ー屋内でのマスク着用義務再開
これまで、衛生パスが必要な場所(レストランなど)に限り、屋内でのマスク着用義務が廃止されていたが、明日11月26日(金)より、衛生パスが要求される場所を含め、全ての公の場での屋内マスク着用が再び義務となる。
地域によっては、人が多く集まる屋外、例えば、マルシェやクリスマスマルシェなどでのマスク着用が義務になるようだ。
ー小学校での学級閉鎖条件の変更
これまで、ワクチン接種が承認されていない12歳以下の子供のクラスでは、クラスに1人のコロナ感染者が出た時点で学級閉鎖が行なわれていたが、ジャン=ミッシェル・ブランキエ教育相は、来週より、感染者が出た時点でクラス全体のコロナ検査をすることにより、学級閉鎖はせず、陰性の生徒を登校させる。
ー5歳から11歳の子供へのワクチン接種について
フランスも5歳から11歳の子どもたちへのワクチン接種を視野に入れているが、いずれにしても「子どもに合わせた用量を接種させる必要があるため、2022年の初期以降になる」とのことだった。
政府は今週末よりワクチン接種会場を強化拡大するようだが、この発表を受け、ワクチン予約サイトDoctolibは現在パンク状態。
3回目の接種は考えるというフランス人が多かったが、衛生パスが無効になるとなり、3回目の接種に踏み切る人が殺到しているようだ。(み)