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パリ最新情報「函館の洋菓子店スナッフルス、パリに登場!」 Posted on 2022/06/14 Design Stories
函館の定番土産として人気のチーズオムレット。
それを率いるスナッフルスのパティスリーがこの4月、パリ12区にオープンした。
チーズオムレットといえば、北海道物産展でも人気を博すスイーツだ。北海道産の素材を使い、毎日丁寧に焼き上げているという。
パリ店は、そんな焼きたてのチーズオムレットを始めとした沢山のスイーツ&ドリンクが楽しめる“サロン・ド・テ”となっている。
パリの風景に馴染む外観で、イートインとテラス席が設置されている。
聞けば、パリ店を切り盛りするのはフランス人のご兄弟だそうだ。彼らは3兄弟で、一番上のお兄さんが今も函館のスナッフルスでパティシエを担当しているという。
こちらでは次男のサミュエルさんがスイーツをこしらえ、末っ子のカチャさんがホールを担当する。今回の出店は、このご兄弟とスナッフルスの協力によって実現したとのことだ。
彼らによると、牛乳や生クリームなどの乳製品はフランスのものを調達するため、味は完全に同じとはならないそうだ。(フランスの乳製品は濃厚なものが多い)
しかし来店した日本のお客さんからは「かなり近い」という意見をいただき、現地フランス人客にも驚きと新たな発見をもたらしている。
というのは、函館の、というより日本のスイーツがこれほどバリエーション豊かだという事実を知らないフランス人が多いため。
パリでは今、チーズケーキを中心としたパティスリー・ジャポネ人気が勢いを増している。とはいえ全員が知っているかというと、やはりそんなことはない。
なかには「日本人はデザートにいつもMOCHIを食べているのかと思った(モチ=大福)」というお客さんもいたそうだ。
カチャさんは、そういった人々に函館がどんなところであるか、どんなスイーツが現地日本で愛されているかを丁寧に伝え続ける。
一番人気はもちろんチーズオムレット。苺のショートケーキ、生チョコのショートケーキがそれに続くという。抹茶はすでにフランス人のあいだで定番の味となっているため、抹茶のミルクレープも人気とのことだ。
店内では子供たちが嬉しそうにショートケーキを頬張っていた。そんな家族連れの素敵な光景がスナッフルス・パリ店で見られる。
訪れるお客さんはファミリーの他にも男性客、ご高齢の夫婦などさまざまで、現地フランス人の興味を大いに引いている。
「美味しい」はもちろんのこと、パティスリー・ジャポネの開拓にも一役買うスナッフルス・パリ店。函館の風景が収められた数々の写真も印象的だった。
パティスリーはフランスの伝統芸であり、誰もが認めるフランス食文化の一つだ。
そんなパティスリーが日本に渡ると、長い時間をかけて洋菓子となってオリジナルな姿に変貌した。今パリで起きているのは、こうした日本の洋菓子ブームが加速しているという事実である。
モチ、抹茶、柚子だけではない、日本スイーツのリアルな味に驚きながらも喜ぶフランス人。そんな彼らの笑顔を見て、ニヤッとしてしまうのは自分だけではないかもしれない。(セ)