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パリ最新情報「過去最多の感染者数となったフランスを分析する」 Posted on 2020/09/12 Design Stories  

ついにフランスの感染者数が1万人に近づいてきました。正確には9843人の方がフランス全土で感染しています。陽性率が5,2%で、亡くなられた人は19人、集中治療室にいる人が615人となっています。感染者数が数字的には過去最大になったのは、3月、4月と比べ、大幅にテストの数が増えていることも一つの要因と考えられます。フランスは欧州でもトップ3に入るほどPCR検査を積極的に行っている国で、その数は、一週間で約100万テストに及んでいます。感染者が出ると、その会社、友人、家族が積極的にテストを受けるので、当然、数が多く出るのだろうと思われます。

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※ パリ市内各所に無料のPCR検査所が次々オープンしています。これは最近出来たばかりのパンテオン広場のPCR検査場です。

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今日、フランスの新首相、ジャン・カステックス氏は国民に向け演説を行いました。再びロックダウンが行われるかもしれない、もしくはそれに準じた強い法令が新たに投じられるのではないか、と囁かれていましたが、蓋を開けてみると、主だった発言はなく、「若者の間で感染が拡大しているが、もっとも気を付けないとならないのは高齢者であり、高齢者の皆さんは自力でもう守っていくしかないのです」に留まりました。メディアの人たちも「とくに目新しい発言はなかった」という印象を語り合っています。23時以降の飲食業の営業中止などは見送られた格好ですが、感染者数が増え続けている状況なので、今後、新たな法令の導入などを準備しているのはたしかでしょう。現在は「経済活性化計画」を打ち出したばかりなので、それとのバランスを鑑み、様子をみているものと思われます。

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夏のバカンス前、ロックダウン解除直後の感染者数は百人台まで落ちました。日本より少なかった時もあったのに、いきなり爆発したのは、バカンスの影響があげられると思われます。バカンスの終わりの頃から感染者数がうなぎのぼりに増えました。この件はあまり触れられていませんが、数字の推移を追いかけると明らかにバカンスと感染拡大に因果関係があるのがわかります。バカンス好きなフランス人、気持ちが緩んだのでしょう。

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飲食業や小さな店舗を経営する人々はこれ以上、厳しい法令が下されると、倒産するしかない、と悲鳴を上げ続けているのが現状で、感染がさらに拡大する虞の強い冬へ向けて、政府は頭を抱える状況にあります。学校は再開され、会社にも人が戻ってきており、フランスはにわかに活気を取り戻しつつあります。しかし、明日は再び黄色いベスト運動(ジレ・ジョーヌ)が全土で吹き荒れると噂されています。長い制限下でマスクを強いられ生きている庶民が黄色いベスト運動に便乗して暴れる可能性があるので、在仏日本人の皆さんは気を引き締めておいてください。

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