一言で「美容」と言っても、美容も様々な分野があります。私が携わるのは「ホリスティックビューティー」と言って、日本でも最近使われるようになった言葉ですが、これは統合的な美容、つまり美容だけを切り取らず、美しさとは体と心のバランスの上に成り立つという認識の元にある美容方法なのです。

例えば、鏡を見たときに肌色がくすんでる！　と感じたら、何をするか。たぶん、ホワイトニング作用のある化粧品を使うか、それとも、くすみの原因である体に溜まった余分なゴミ(毒素)を排出させるためにデトックスをして根本的に肌のトーンアップをさせるか、になるでしょう。この後者のアプローチがホリスティックビューティーにあたります。実践してみると、肌色のトーンを明るくする化粧品を使わなくても、驚くほど明るく艶やかな肌になるし、その効果は持続します。外から肌に必要なものを取り入れることは大切だけれど、中からのケアはもっと大切なんです。中からのケアとは、食べることに気を配ったり、睡眠の質に気を配ったり、体を動かしたり・・・。つまり、自分自身が心地よいと感じる体を自分で創作していくことです。

 
そして私は、その「中からのケア」という漠然としたものを、皆さんがすぐに実践できる、セルフケアのための「バイタリティー・コーチングⓇ」メソッドを編み出しました。このメソッドの中には四つの項目があります。例えばそのうちの一つ、セルフマッサージ。体は本当に粘土のようで、コツをつかんでマッサージをすると、どんどん体のボヤけたラインがくっきりと出てキレイになっていきます。そのマッサージに目的に合ったエッセンシャルオイルを取り入れていくとさらに効果が上がるのです。

実際に実践した方々の驚異的な変化がその素晴らしさを証明しています。実践された方々も、見た目に変化があることで、グンと気分が上がるようです。また周りの人たちから、「何か変わったね、何したの？」と言われれば、ますますモチベーションが上がってやる気に繋がりますよね！　だって、「何か」って、それは美しくキレイに変化した、ということを指すわけですから・・・。

私たちはとかく自分の体は自分の思い通りについてくるものだと思いがちですが実はそうではありません。体という衣服を纏っていると捉え、その体は着心地が良いか、悪いか、感じる大切さを見直すことが必要です。そして、着心地の良い体というのは、バランスの取れた状態を指します。体の内側のバランス、つまり、体が休まる時間がきちんと取れて、体内器官が正常に活動できて、そして心と肉体の調和が保たれていることをいうのです。

体というのは精密なマシーンのようで、複合的に作用しています。だから、気持ちの良い体 = 健康 = 肌のツヤが良い、ということになるのです。何一つとして、単独に働いてはいません。繋がっているのです。

私は自分自身がセラピストとして、クライアントの方々にマッサージを施しながら、同時にこのバイタリティー・コーチングⓇに基づいたセルフケア方法も指導してきました。セルフケアですから、私がマッサージを施さなくても、自分自身で解決できるのです。このような忙しい時代、セルフケアは不可欠です。究極、自分の体の責任（最高の状態）は結局自分自身でしか保てない、ということなのかと思うのです。マッサージを受けて気持ち良くなるのは長い人生の中のほんの一瞬でしかありません。私たちのようなセラピストやマッサージ師が外側から施せることには限界があります。けれども、自分でできることの可能性は無限なのです。なぜなら、自分でやると決めた瞬間から、体中の六十兆個の細胞が耳を澄まし、大号令とともにその目的に向かって邁進し始めるのですから！

つまりこれが、私の開発したセルフケアのための「バイタリティー・コーチングⓇ」メソッドの基本理念なのです。自らの意思で自らの肉体を変えていく！
だって、すべては意識次第でしょ？　何か実現させたいと思ったら、「～だったらいいなぁ」を、「～にしてみせるぞ！」にした、その瞬間からあらゆることが変わり始めるではないですか。
そうです。あなたの意識が体の内側に向いたその瞬間から本当の体作りというものは始まっているのです。

チコシゲタ×辻仁成「いつものセルフケアをプロ並みの効果にする極意」

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