JINSEI STORIES
はちみつブリックの作り方! Posted on 2025/04/23 辻 仁成 作家 パリ
三四郎が昨夜はなぜか、夜中に、ふんふん、ないて騒いで、寝かせてもらえなかった。
2時間置きに、おこされて、しょうがないから、ぼくのTシャツを脱いで、包んであげたら、やっと寝てくれた。
すでに、夜が明け始めていたのだ。
小窓から、外を覗いたら、野原に靄がかかっていた。
しばらく、その神秘的な世界を眺めていた。
早起きをしたので、近くにあるIKEAに仕事道具を買いに行ったら、三四郎は入れなかった。(犬は禁止)と張り紙が・・・。
たしかに・・・、仕方ないので、三四郎のお散歩はIKEAの敷地内、とあいなった。
そして、駐車場のはずれでポッポをした。(うんちです)
「さんちゃん、すぐに戻って来るから、車で待っていてね」
と言い残し、ぼくは館内に。笑。
絵の道具を置く足高のスツールと小説を書く時どうしても足元が落ち着かないので、足置きを買いに・・・。
※ さんちゃんがポッポした、裏庭。
※ 油絵具入れに、これ、安い。ありがたい。
※ 小説が佳境に入って来たので、この足置きに助けられることになるでしょう。
さて、お昼時に長谷川さん夫妻がやって来たので、ドライカレーとシーザーサラダ、そして、前菜にブリックを作った。
ブリックというのは、チュニジアの料理で、在仏日本人たちのあいだでは「チュニジアの餃子」とか「チュニジアの春巻き」などと呼ばれている。
ツナとジャガイモを練ってタネにし、卵の黄身を潜ませて、ブリック皮で包んで揚げたものが一般的だ。
スパイシーで、かなりエスニックな料理だが、欧州ではこのブリックの皮がそこら中で普通に売うられており、様々にアレンジされて、アペロとかの時に、おつまみとして出され、「ブリック、ブリック!」と大人気なのだ。
今日は、父ちゃんの事務所でキュレーターのようなことをやってくれている「なぎさ」さんのレシピによる、エスニックじゃない、在仏日本人的ブリックをご紹介したい。
いや、これが実に美味しいのだよ。
なぎさのシンドバッド風ブリックはパーティなどで重宝されている。
じゃあ、作ってみましょうかね。
主な材料、
ブリックの皮、(大き目の春巻きで代用も可能!!! その場合、ちょっと小さいブリックになりますが、美味しいです)
シェーブルチーズ、
はちみつ。
この、はちみつが、凄くいい味を出す!!
下の写真のように、ブリックの皮にシェーブルチーズを載せて巻く。
シャーブルチーズは、なぜか、丸い筒形をして売られているので、写真のようになる。
でも、どんな形のシェーブルチーズでも構わない。
※ 春巻きの皮で、やる場合は、大き目の皮を、三角形に切って、この要領でやってみてね。ちょっとミニサイズになるけれど、味は一緒。
ともかく、三角になるようにパタパタっと折り込んでいく。これだけ。
できた! これだけ? いや、揚げないと・・・。
フライパンにオリーブオイルをひき、揚げ焼きしましょう。これだけ。
これで、完成なのだけれど、なぎさのシンドバッドブリックがおいしいのは、はちみつを外側に刷毛で塗った点に、あった。
はちみつをシェーブルチーズと一緒に中に入れると、はちみつに火が入りすぎて、はちみつ感が薄れてしまう。
ところが、外に塗ると、これが、ものすごいはちみつ味を出すので、ぜひ、やってみてもらいたい。ここが、なぎさのシンドバッド風ブリックの特徴となる。
「先生、カリカリ、これ、はちみつ風味、美味しいですな」
長谷川さんが言った。
「いつまで、君ら、ノルマンディにいるの?」
大笑い。
「アシタ、カエリマス。アシタ、ランチタベテカラ」
「ランチ、何か食べていきますか?」
「えええ、いいんですか?」
「ダメって、言えないですよね」
ということで、長谷っちとコリンヌに手伝ってもらって、IKEAで買ったスツールを組み立てて貰った。(ぼくは作るのがいつも苦手で、でも、作るのが好きな算数の得意そうな人っていますよね? 長谷川ご夫妻、ありがと)
※ いつものシーザーサラダ、いつもドライカレー。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
文房具、アトリエのちょっとした小物、日用品、など、IKEAさん、ほんとうに痒いところに手が届く感半端なかったです。ハンガーとか、籠とか、安くてセンスがいい。スエーデンの香りっちゅうか、色合いがね、落ち着くわけです。家計に優しいIKEAさん、ありがとうね。いい絵が描けると思います。
そして、父ちゃんの日仏展覧会最新情報です。
・2025年、5月15日から、パリのグループ展に立体作品を一つ発表します。会期は5月15日~6月中旬くらいまで、一か月、パリ、マレ地区の画廊20THORIGNY。
・7月9日から日本橋三越本店、コンテンポラリーギャラリーで、2週間、個展「LE VISITEUR TOKYO」開催。
・7月23日から、岡山天満屋本店で、6日間、「LE VISITEUR OKAYAMA」開催。
・10月13日から、パリ、20THORIGNY画廊で、2週間、個展開催。
・2026年、1月15日~3月15日くらいまで、二か月、パリ、日動画廊にて、グループ展に5作品展示予定。(詳細は決まり次第、発表します)