JINSEI STORIES
フランスごはん日記「茅乃舎のだしパックを貰ったので、キノコと豚のパスタにした」 Posted on 2024/10/25 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、今日は茅乃舎の方々とカフェでお茶をした。
いろいろと、フランスの食文化というか、研究されているのだとかで、フランクフルトの岡崎選手からのご紹介で、意見を聞きに来てくださったのだった。
日本のだし文化を世界に広めたいということなので、お役にたてるかわかりませんが、という感じで、小一時間、お話をした。
フランス人が、「ダシ」や「うま味」をどうとらえているのか、ぼくなりの感想をお話した一時間であった。
で、帰りに、ダシセットを頂いたので、さっそく、それを使って料理をしてみることに。あはは。
頂いたら、すぐに使う、の精神である。
で、キノコのシーズンだったので、日本のマイタケに似た、プルロットというキノコと豚肉を使って、うま味パスタを作ろうと思った父ちゃんであった。
材料は、
野菜だし、
塩昆布、
プルロット、
豚肉
オリーブオイル
ニンニク、
生姜、
唐辛子、
かな。全部、適量で。笑。
醤油は使わない。調味料のかわりに野菜ダシと塩昆布のみで、作る。
豚肉は、食べやすく細切りにして、塩胡椒をしておく。
今回、塩昆布を使うので、塩胡椒は一切使わない。醤油も使わない。
野菜ダシと合わせると、自然なうま味が出てくるので、それで食べるパスタになる。
まず、フライパンはちょっと表面から煙が出始めるまで熱しておく。サッと、オリーブオイルを回し、豚肉を表面がカリっとなるまで焼く。
そこに、キノコを投じて、(マイタケでも、シメジでも、シイタケでも、なんでもいいです)火をよく通したら、茅乃舎の野菜ダシを調味料がわりに、投入する。
塩とか醤油だとどうしても、味が支配されちゃうので、野菜だし、だけで味付けをする。豚は最初に塩もみしておくので、ある程度、塩味はあるから、それで十分。
最後に、白ワインを回し掛けして、風味を立たせる。
もう一つのフライパンに、ニンニク、ショウガ、唐辛子を入れて、香りをオイルに移し、ニンニクが香ばしくなりだしたところで、塩昆布を入れる。
塩味は、塩昆布から出す感じになる。
ゆであがったパスタをいれ、そこにゆで汁と白ワイン、そして、野菜だし、を調味料のかわりに、お好きな分量いれる。ぼくは小さじ1,くらい。全体で、このふくろの3分の1程度、を使った。
野菜ダシと塩昆布のコンビネーションは抜群なのだ。アンチョビが無くても、あのペペロンチーノ感が出せるよ。
他の調味料はいらない。
というわけで、お皿に、パスタを盛り付け、その横に、キノコと豚肉を炒めたものを添えれば、完成となる。醤油を使わないことで、和風に寄りすぎず、でも、塩昆布の海感で、和のテイストも感じる、日本人にとっても食べやすい優しい秋のパスタが出来上がる。
胃にもたれないし、美味しいし、秋っぽいから、いいね。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
ぼくはそのあと、アトリエに行き、また、絵にむかいました。アトリエにはギターがあるから、ちょっとギターの練習もやったし、そのあと、事務所の横にある小説を書く部屋に行き、新作小説に向かったのでありました。いろいろと、忙しい一日でした。あ、ツジビルのラジオもやったしね。光陰矢の如し。でも、何を食べるか、大事だよね。