JINSEI STORIES
フランスごはん日記「デトックスなスープで、パリの秋をスマートに生きる男と犬」 Posted on 2024/10/17 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、6キロも太った父ちゃん、ダイエットな日々始まる。
引退公演最終日から、2か月が過ぎて、久しぶりに体重計に乗ってみたら、
「げげげげー、マジかよ、なんだよ、俺、デブじゃん」
と驚いた。
なんと、6キロもあの頃よりも太っていたのだ。
これはいけない。
予想通り、引退をして、目標を失ったら、人間は太るだけだ。
好きなだけ、ワインを飲んで、運動をしなくなり、ぶくぶく、太る。
ああああ、やだー、これは悲劇じゃ。
ということで、昨日から、実はダイエットをスタートしている。
やるとなれば、とことんやる、父ちゃんである。
ということで、わずか一日で、2キロ、痩せることに成功をした。もっとも、これは、お酒を減らしことと、水分が蒸発したことによる、体重減で、本当のダイエットではない。
ということで、三四郎と、午前中、2時間くらい、散歩をした。
そのうち、走ることになるが、まだ、心の準備が出来ていない。
11月の後半に、人前に出ないとならないとあるイベントがあるので、それまでには、ほっそりとしたセクシーな父ちゃんに戻ってみせる、と心にちかって、走るのは、「明日」からにし、今日は、2時間くらい三四郎と秋深きパリの街を歩いたのだった。
美しい季節である。
落ち葉を踏みしめて走る愛犬が、絵になる。
カフェーに入り、「ノアゼット」を注文した。
エスプレッソコーヒーに、ちょこっとミルクが入ったもので、ここのカフェーでは、ミルクが添えられているので、小さなカフェオレみたいな感じになるので、大好き。
おされー。
事務所なのに、今はたくさんの作品が、足の踏み場がないほどに、置かれてある。
一部は、今回のパリ個展の作品で、他に、次の個展用の絵もある。
梱包作業を事務所でやっているので、これが、また、実に、大変なのだ。でも、それも仕事なので、ちゃんとやらないとならない。
とにかく、広いアトリエがほしい。
三四郎も居場所がないので、父ちゃんの上にのっかってくつろいでいる~。
あたたかい。
ということで、今日は、デブになった父ちゃんが痩せるために、デトックス効果のある、大根と梅のスープを作って、ランチにしたのであーる。
世間的には「梅流し」と言われているようじゃが、なんか、食べ方も先にスープを飲んでから大根を食べないと効果がない、とか、他のものは食べちゃいけない、などというルール(?)があるらしく、でも、これだけで、ちゃんと美味しいスープとして頂けるので、別に、父ちゃん的には、「梅流し」じゃなく、「大根と梅」のスープと呼んでいる。
※ とくに辻家の「大根と梅のスープ」に作り方はなくて、鍋に水をいれて、ダシを放り込んで、切った大根と大きな梅を一つ放り込んで、ぐつぐつ、するだけ。味付け、とか、なしです。身体が温かくなるし、確かに、デトックス効果あるかも。
ということで、「大根と梅のスープ」にあう、おかずを作った。
ピーマンとジャコを味噌で炒めたもの。
目玉焼き、一つ。
いわしごはん。(炊飯器にアンチョビ放り込んで、炊いたもの)
そして、大根と梅のスープであーる・ぱっちーの。
こういうのが、父ちゃん的には、毎日のフランスごはんなんだけれどね。えへへ。
もう、たまらなくなるほど、美味しい~。
身体にもいい。
デトックス~。
よーし、痩せたるぞー。
※ 細長い、ピーマンね。ピーマンとジャコ、最高だよね。今夜の献立にいかがですか?
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
日々を丁寧に生きる。こういうごはんが一番、美味しい、と最近思うのです。フランスごはん日記なのに、和食とパスタばかりだ、というご批判、重々承知しておりますが、このような食事の中にこそ、フランスが、ある、という日記でございますのでご容赦ください。近々、みなさんにも役立つ、フレンチメニュー、お届けしますので、あはは。