JINSEI STORIES
フランスごはん日記「ついに三四郎、初地下鉄、初個展会場入りし立派な学芸員犬になる!おおお」 Posted on 2024/10/11 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、ついに三四郎が、父ちゃんの個展に初参加し、そして、立派に?、学芸員風犬になって、お客さんを吠えていた。あはは。ごめんなさい。
この子、自分のテリトリーに誰かが入って来ると、吠えるのだ。やはり、そこは、もともと狩猟犬の血筋なので、足は短いが、パトロールが大好き!
開店と同時に入って来た素敵なご夫妻に、わんわんって、おい、こらっ。
でも、優しい方々で、三四郎も差し出された手をぺろぺろ~。
ということで、その前に、まず、三四郎、生まれてはじめて地下鉄にのったのじゃ。
何せ、父ちゃんが23年ぶりにパリのメトロにのるようになったものだから、それに、今、パリ市内、車での移動が難しいし、メトロがとっても便利なのだ。
地下鉄における、フランス市民の、犬への対応はとっても優しい。信じられないくらい、笑顔なのである。☜三四郎だからかな~。えへへ。親ばか。
何度も、座りませんか、と犬を抱えるぼくに、言ってくれた。☜おじいちゃんに見えたんかな~。
「いいえ、マダム。けっこう、ぼくはまだ若し、この子は重くないので、ありがとうございます。その優しさに感謝です」
髪の毛をさっとかきあげ、平然を装う、父ちゃんであった。あはは。
なんのこっちゃ。
※ オープン前の画廊をチェック、監視する、三四郎、きりっ!!!
ということで、北マレ地区に到着し、(地下鉄内は抱っこしないとならない。大型犬はどうしているんだろう。しゃがんでいるのかな)、そこから、初マレを一緒に歩いた。
「ほー、パパしゃん、ここがマレですか~」
という顔で、きょろきょろ、見まわし、ついでに、角っこでおしっこをして、マレを堪能する三四郎であった。
「さんちゃん。いい感じでしょ」
「わんわん」
「ね、なんかイキイキしているよね」
「わんわん」
ということで、すれ違う人がみんな、・・・三四郎をふりかえる。
雨が降っていると思って、コートを着せてきたからかもしれない。しかも、快晴!!!
ま、ちょっと、我慢してね~。
そして、ついに、画廊に到着。
フランスの個展会場、だいたい、この辺はどこも犬、OKなのであった。
中に入って、見覚えがある父ちゃんの絵を見て、あ、ここは、新しいおうちなんだな、と思ったみたい。
三四郎、なごんでいた。
ああ、絵になるね。
まるで学芸員犬だ!!!!
※ 作品をじっと眺め、よしよし、と納得する学芸員犬。
※ バックヤードへの学芸員なので出入り自由・・・。あはは。
実は、今日はマネージャーMMの娘さんが、一日、預かってくださるのである。
パリの美術関係のお客さんが夜に来るので、いろいろとミーティングもあり。
ジュリアだと大事な時は、ニナちゃんが、最近、めんどうをみてくれる。そのお父さんも一緒に・・・。
みんなに愛される三四郎なのであった。めでたし。
こちらは画廊主の愛犬、テクシー。三四郎との対面はいつか・・・。つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
パリでの個展も残り、二日となりました。ここにきて、美術界の動きも慌ただしくなり、昨日はカルチエ財団の人も見に来てくださり、ええと、見ただけですが、あはは。
でも、いろんな人に見て頂くこと、大事ですよねー。世界は広いから・・・。
美術館関係者さんとか、ギャラリストもちらほら、やってきます。ということで、ま、来年も、よきタイミングで第二回個展出来そう。めるしー僕。
さて、15日に、生放送ラジオがあるよー。詳しくは下のTSUJIVILLEのバナーをクリックしてくださいね。めるしー貴殿。