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フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」 Posted on 2024/10/07 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、パリ初個展を開催中の画廊の周辺は、実に、甘いもの、デザートの激戦区でもあり、甘いものも大好きな父ちゃん、個展視察の合間に、そういうところをハシゴして、つまみ食いをしているのであーる。
で、画廊のすぐ、傍に、ポントシュー通りというのがあって、ここに、フランス人の素敵なおじさまが経営するポントシュー・カレーという店があって、めっちゃ、カツカレーとか美味しいのだけれど、同じ経営で、よこに、ポントシュー・カフェというコーヒー屋さんがあって、そこに、「あきら」さんという日本人がいて、ぼくの親友のシェフ、前田しんの奥さんに紹介されて、ご挨拶をしたら、彼がフィナンシェをくれたのだけれど、画廊のバックヤードで、かぶりついたら、やべー、なんやこれ、となった!
で、奥さん曰く、あきらさんは、星付きレストランで長年パティシエをやっていたのだけれど、たぶん、独立を考えているのか、今は、このカフェで店長みたいなことをしながら、デザートを作っている。
このデザートが、やばかった。
今日、携帯紛失マネージャーのMMとその息子のシモン君と3人で、朝コーヒーをしたのだが、その時、MMが注文した12ユーロの謎のデザート。日替わりなのか、ショーウインドーには、アイスカップと12ユーロという札しかない。
「今日は、イチジクです」
と今時な感じの、俳優っぽい、小栗旬さん似のイケメンが、言った。
出てきたのが、これ、やばくないですか?
底にパンナコッタ(何か日本風の味がするやつ)が敷き詰められていて、その上に、ベリー系のいろいろが載っていて、それを赤い泡が隠しているのだが、美味しい。
12ユーロ。
星付きレストランのパティシエが作るお菓子、12ユーロ、うううん、これは「穴場」であろう。
彼が作るフィナンシェもおいしいが、ほうじ茶のカヌレ、すごかった。
絶賛し過ぎだろうか・・・。すいません。

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

※ こちら、あきらさん。今時風で、性格めっちゃよさげで、もてるやろなー。このショーケースの中にある、ほうじ茶のカヌレ、底がカリっとしていて、カヌレの概念は楽勝で、超えている。あきーら、恐るべし。また、行くね。笑。コーヒーはアメリカーノが、好き。

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

カレーは、ココ壱番屋さん系なんだけれど、おなかいっぱいになります。昼時は、座れないくらいの大人気!



そして、MEERTというケーキ屋が、チェーン店みたいな感じで、画廊の周辺に二軒、あって、そこのゴーフル? 柔らかいゴーフル? 中に、バニラビーンズたっぷりのクリーム? 不思議な味で、コーヒーにあう。
お土産に、最適かもしれない。ケースがきれいであった。

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

そして、そこからサンポールの方へと歩いていくと、お馴染み、パティシエのシュー君と、チョコレートシェフの恵美子さんがやっている、レ・トロワ・ショコラさんがあってね、入ったら、日本から個展にかけつけてくれた方がいた。顔見知りになった。
っていうか、マジ、日本から10人以上、個展に来てくれたみたいで、スタッフさんが、今日も日本から旅行を兼ねて、お越しいただきました、と言われた。
まことに、恐縮なのである。あまり、そういうところにお金を使わないでください。
ということで、レ・トロワのチョコ、おすすめは、「抹茶」「キャラメル」「黄な粉」などなど、どれも美味しい。
そして、ケーキ、今日は「フラン・ノワール」(黒いプリン)を買ったが、下がパイ生地ではなく、リッチな下地で、これは、シューくん、やったな。
いつも、ぼくが買っている、ここの「フォレ・ノワール」がなかったので、残念だったが、フランに、大満足な父ちゃんであった。
めでたし。

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」

※ 仏語を読んだら、わかった。ノワール(黒)は沖縄の黒糖のことだね。そして、下に敷き詰められているのはパイじゃなく、サブレだ!!! これは、今まで食べた「フラン」の最高峰であった。プリンのレベルを塗り替える素晴らしい出来栄え、下のサブレの食感、そして中心部のクレーム、黒糖の味わい、すべてのバランスが最高で、試さない手はない! おすすめであーる・ぱちーの。



画廊には、営業時間内には、行けなかった。
めっちゃ近いのに、行かない、という選択肢、あはは。カフェでお茶したり、カレー食べたりしていたら、三四郎の散歩の時間になり、ケーキ抱えて、戻った父ちゃんであった。
はっきり言って、食べすぎだろ、と思うが、太り気味なので、ダイエットしないとね。
イベント専門スタッフのナッギーからの報告によると、雨にもかかわらず、じわじわっとお客さんがいらっしゃってくれた、とのこと。ありがたいねー。
そうそう、シモン君のお父さんも見に来てくれたし、そこに、息子も彼女や仲間たちとやって来て、一時期、事務所関係者でいっぱいになった画廊であった。
人を繋ぐ、芸術なのだ。

フランスごはん日記「マレ地区で甘いものを、画廊視察のあとに、食べ歩くニッポンの父ちゃん」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
個展は、来週の土曜日までやっていますので、近隣国にお住まいの皆さんも、ぜひ、お立ち寄りください。あきら君や、シュー君や、えみこさんらが生み出す、日本の最先端の甘いもので胃袋を満たされた、あとに、ついでに辻アートを、どうぞ~。えへへ。
はい、次回の父ちゃんのラジオは、10月15日を予定しています。下のTSUJIVILLEのバナーをクリックしてみてくださいまし。いえいえ、おそれいります。

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