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フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」 Posted on 2024/10/03 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、画廊の方々と画廊の近くにあるマルシェ、アンファン・ルージュとよばれる、400年以上も歴史があるマルシェにご飯を食べに行ったのだけれど、その途中の路地で、自分の個展のポスターとご対面をしたのであった。
「おおお、ツジー、あれはんだ」
とトマが叫んだので、振り返ると、なんかのお店のドアに、二枚も、父ちゃんの絵のポスターが貼られている~。
やった。
じわじわっと、個展が近づいている感じがしてきたのじゃ。
で、ぼくが個展をやる「ヴァン・トリニー」という画廊は、ピカソ美術館に近く、また、このめっちゃ古いパリの歴史的なマルシェのすぐそばなのだった。
ここに、一軒、伝統的なフレンチの店があって、そこ、美味しいです。 
ということで、デザインストーリーズでも、特集記事が出ているので、ぜひ、ご参考にされたし。パリに来るなら、ここを見学しない手はありませーぬ川!! ☜新しいおやじギャグね。つまらんね。
マルシェ、アンファン・ルージュについて詳しく報じた記事はこちらです。
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https://www.designstoriesinc.com/panorama/marche/

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

※ 二枚もマレ地区に!!!

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

※ そして、こちらは、彫刻家のマーティさんの奥様、さおりさんが発見した、と送って来てくださった、もの。マーティさんは90歳の超人的彫刻アーティストです。過去の日記に詳しく書いています。モーリス・マーティ!彼も個展にかけつけてくださいますよ。



アンファン・ルージュで、ミーティングをやったのだけれど、興奮しすぎて、何を食べたか、もう覚えてない、父ちゃんであった。
でも、明日から、パリでの初個展がスタートする、その熱気というのは、出てきた。
しかし、絵とは、なんだろう?
芸術? って、なんだろう。
ぼくって、なーに?
表現するって、どういうことだろう。
ぼくは、サラリーマンを経験したことがない。
明日、ぼくの新作、22点が、ずらりと個展会場に並び、フランスのアート好きが訪れることになるのだろうが、仏語で、彼らにぼくのアート感を説明することが難しい。
個展のタイトルは、日本で今年開催したのと、一緒。
LES INVISIBLES 「見えないものたち」
ぼくらは、見ているようで、見えていないのであーる。

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

言語的な意味もあるけれど、作品を説明するのが、苦手なのだ。
それが嫌で、小説から、絵にシフトしているわけで、自作を説明って、絵をみてて感じていただけたら、それでいいじゃん、と思うのだけれど、・・・時々、これは何を表し、意味していますか、と訊かれて、父ちゃん、来た来た、と思って、言葉を探すのであーる。
でも、それはめっちゃ、無意味なことだったりする。だいたい、高度な複雑なわかりにくい思いを言葉にして、ごまかしている。
でも、不思議なことに、ぼくが語ると、だいたい、納得してくださる。
アートって、きっと、言葉で説明しちゃいけないんだな、と思う。とくに、作者は・・・・。あはは。
笑ってごまかし、自撮りして、逃げております。
だから、ぼくは個展会場にあまり行きたがらないのかもしれませんね。
それで、いいのだ。

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

※ 画廊主のトマ。いいやつ。

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」



フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
いよいよ、明日、4日、14時から、ヴァン・トリニーにて、にっぽんの父ちゃんこと、辻仁成、フランスでの初個展を開催いたいします。どのような個展になるか、ドキドキしますが、展示は、完璧ですぞ!!!! 
辻の新しい世界、どうぞ、ご堪能ください。

フランスごはん日記「父ちゃんの個展ポスターがパリ市内で一斉に張り出されたぞ、の巻」

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