JINSEI STORIES
フランスごはん日記「名物コルシカドーナッツに感動しつつ、個展間近なので、パリに舞い戻った父ちゃん!」 Posted on 2024/09/28 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、コルシカのドーナッツには、なんと、山羊のチーズが入っている。
それが、驚くほどに、美味い。
誰がこんなものを生み出したのか、と驚くばかりの発想なのであーる。
もしかしたら、あの、ナポレオン・ボナパルトだろうか。大胆じゃ~。
甘い砂糖のドーナッツなのに、噛むと、中から、山羊のチーズのあの独特なチーズ感が、あふれ出てくる、という仕組み。
そういえば、沖縄とコルシカって、似ている。
フランスにおけるコルシカ島は、日本における沖縄諸島のような立ち位置、風土かもしれない。先の日記で、「コルシカはハワイに似ている」と書いてきたが、実際は、沖縄の方が似ているね。
そういえば、沖縄には「サーターアンダギー」があったよね?
それに比べると、コルシカドーナッツは、ふわふわ、柔らかく、甘い。なのに、山羊のチーズって、個性強っ。
「うめー」
と思わず、叫んでしまった、食いしん坊の父ちゃんであった。
フェスティバル会場でも、売られていたし、楽屋にもあった。
調べたところ「フラップ」と呼ばれているらしい。(いろいろと種類があるみたいで、新鮮な山羊のお乳のブロッチュ・チーズのベニエ(フライ)のことらしく、しかし、呼び方も様々だったから、間違えていたら、ごめんなさい)
美味しいんだから、それでいいね。
あはは。
※ アジャクシオ、そこらへんの崖に、たくさんのサボテンの木が、茂っているのである。これが、メキシコかと思うような世界なのだ。世界は果てしない・・・。
※ 大自然に囲まれたこのコルシカ、最高である。また、戻って来るぞー。
ライブも終わり、講演会も大成功だったので、1,2日、のんびりしてから帰ろうと思っていたのだけれど、画廊の方々から、
「ちょっと、すぐにパリに戻って来てくれ」
と連絡があった。
確かに!
パリ初個展までちょうど一週間じゃないか!!!
「急いで戻って来てくれ、美術関係者がけっこう、来るんだ。それで、簡単なカタログを作ることにした」
「誰が来るって?」
フランスで有名な、写真家、作家、画家、建築家、デザイナー、美術評論家、美術雑誌の記者、画廊関係者、などなど、ほー、と驚くような人たちだった。
「そりゃあ、大変だ。で、ぼくは何をすればいい?」
「カタログに何かメッセージを書いてほしい」
「もちろん」
「あと、200部、美術関係者用にかんたんなパンフレットも作ったので、印刷所に取りに行かないとならない」
ぼくの事務所のすぐ裏手にある印刷会社さんだった。
「じゃあ、パリに着いたら、ぼくがピックアップして届けようか」
「え、それは、助かる」
ということで、父ちゃん、いきなりパリに戻って、印刷所に立ち寄ってからの、個展ミーティングへ、という流れ。あはは。
なんか、じっとしていられない奴なのであった。
ということで空港までギター担いでいき、飛行機に飛び乗った、父ちゃんであった。
実は、30日から、パリ市内各所(だいたい、パリ中心部と、マレ地区の画廊街になるらしい)に、オランピア劇場ライブの時と同規模のポスターが張り出されることが分かった。
画廊&スタッフの皆さんが、盛り上がっている証拠である。※ パリ在住の皆さん、貼られたポスターを見かけたら、写真を撮って、ぼくに送ってくださいまし。お願いします。
ということで、不意に、そわそわしはじめた父ちゃんであった。
あと、一週間!!!
カウントダウンが始まった、のだ。うかうかしていられない。
パリに戻る機内で、不意に熱血が芽を吹きだし、コルシカ島が噴火するくらいの勢いで、目覚めたレオナルド・父ちゃん画家なのだった。☜なんのこっちゃ。
26度もあったコルシカから、パリのオルリー空港に降り立つと、冬のような寒さが、父ちゃんを出迎えたのである。
南国の楽園のあの青い空と海が、不意に、灰色の空と古い建物に囲まれたパリへと変化してしまった。
タクシーを飛ばして、パリ左岸の印刷所に顔を出すと、おお、出来ていた。美術関係者に配る小冊子が!!!!
よし、いよいよ、パリ・デビューなのじゃ。
再び、熱血が騒ぎ出した。
オランピア劇場前夜のあの熱血を思い出す。芸術の都、おパリで、ついに画家デビューすることになった父ちゃんの運命やいかに~。
と、そこに、マリオから、電話が入った。マリオ? バイオリニストのマリオ???
「はーい、ツジさーん、お元気ですか?」
新たな、電柱作戦の予感が、した。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
急に忙しくなって、驚きました。さっきまで、コルシカの青空とエメラルドグリーンの海を眺めていたと思っていたら、もう、パリ中心部の印刷所にいる父ちゃんなのですから、すごいですねー。タイムショック! あと、一週間ですからね、事務所スタッフも殺気だっています。なんとかして、初個展を成功させないとなりませんし、大事な作品たちをどうやって、パリの芸術愛好家の皆さんたちにみせるか、ここは、正念場なのです!!! 久々、叫んでみましょう。はい、みなさん、ご一緒に、どうぞ。
熱血~。
あはは。
ということで、パリの個展、10月4日、14時からスタートです。お待ちしております。で、翌日の5日、日本時間の22時に、生放送ラジオをやりますので、そこで、個展速報をお届けいたします!! ご視聴ご希望の皆さんは、下のTSUJIVILLEのバナーをクリックしてやってくださいませ。