某月某日、リヨンは内陸に位置する街なので、海がない。
ただ、ローヌ川とソーヌ川が都市を横切るので、強い水脈を持っている。
「食の都」と言われるリヨンだが、正直に言うて、リヨン料理はかなり癖があって、肉の内臓を使った料理だったり、魚だと川魚のすり身の料理とかが存在するが、好き嫌いはけっこう、はっきりとわかれる。
その中でも、父ちゃんが好きなのは、リヨン風のソーセージ料理とサラダ・リヨネーズなのだ。
ただ、昨今、リヨンではモダンなフレンチレストランが脚光を浴びて、むしろ、伝統料理よりも、モダンフレンチの街として人気を博するようになった。
で、伝統料理は次第に淘汰されつつあるようだが、年配の人を中心に、人気店が残っている。そういうリヨンを代表する料理を提供する店は「ＢＯＵＣＨＯＮ　ＬＹＯＮＮＡＩＳ」と呼ばれている。お店のどこかにこの文字が提示されているので、伝統料理を食べたい人は、そこを目指すのがいい。
父ちゃんは、サラダリヨネーズ、リヨン風ソーセージをライブ前の夕食にいただいた。ただのソーセージではない。中にピスタチオが入っていて、とっても美味しい。
真新しさは一切ないが、フランス料理の王道中の王道を行く家庭料理なのだ。冬になると、このソーセージ料理は、レンズ豆との煮込み料理に衣替え、となる。
ぼくが選んだのは、Le Grand Café des Negociants というローヌ川とソーヌ川に挟まれたエリアにあるレストランであった。
静かで穏やかで、優雅なレストラン。
この街はどこもゆっくりと時間が流れている。

サラダリヨネーズは、ラルドン（ベーコン）、ポーチドエッグ、葉っぱ、クルトンで構成されている、割とボリューミーなサラダだが、この葉っぱが、こちらでは、フリゼとよばれるしゃきしゃきの野菜を上手につかっており、ドレッシングもあっさり気味で、食べやすかった。
クルトンもフライパンで焼いただけのものだが、パンの香ばしさが際立ち、しっかり満腹になる。
サラダだけれど、メインとしても頂ける感じなので、食の細い女性にむいている。
リヨン風ソーセージはピスタチオ入りのソーセージにじゃがいものピュレが添えられ、上からマスタードソースがかかっている、見た目、シンプルな料理だったが、とっても美味しかった。
星付きレストランで出てくるようなものじゃなく、ま、フランスのマモンの味。
しかし、ソーセージにピスタチオが入っており、まろやかな風味が癖になるおいしさ。
ペロッと食べてしまった。
とにかく、リヨンはどこで食べてもパンがおいしい。
焦げ目があって、中がもちもちで、ちょっと焼いた餅のような焦げ感と、マシュマロのような柔らかさが同居したようなパンで、これだけでも十分、リヨンを堪能できた。
実は、そのほかの料理は、内臓ものや、触感がはんぺんのような魚のすり身料理「クネル」などで、バリエーションはあまり豊ではなく、なんで、これで食の都なんだろうと思ったら、いわゆるモダンフレンチレストランがたくさん、あったのだった。
ということで、明日、以降、美味しいレストランを探しだし、レポートしたいと思う、父ちゃんなのであった。
今日は、これから、ライブなので、ここらへんで筆を置きます。
熱血で、もちろん！！！

※　パンがおいしい！！！！

※こちらはヒデくんたちが食べたパテ・アン・クルート。

※こちらがカワカマスのすり身でできたクネル。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
気が付いたら、もう７月なのでした。今日のリヨンライブが終わったら、父ちゃんは荷造りをして、日本に向かいます。たぶん、７日の総選挙の直後から、大混乱を起こすに違いないパリを無事に抜け出さるか、だと思うのだけれど、がんばります。逆に日本からこの時期、パリに入られる皆さんは、大使館からなどの情報をしっかりとつかんで、気を付けてくださいね。

さて、お知らせです。
７月１２日に、エッセイ教室をやります。文章を書くのが好きな皆さん、どうぞ、お気軽にご参加ください。
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https://tunagate.com/community/xWZVvgZD/circle/92861/events/329479

※　父ちゃんの画集は、まもなく、全国発売です。