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滞仏日記「フランス、オリンピックどころじゃない。日本もやばい。円安の急降下底なし」 Posted on 2024/07/02 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、いや、パリにいるが、まったく、オリンピックの話が消えた。気配さえない。余裕がないのだ。国にも、国民にも。
3か月前くらいは、みんな、オリンピックに浮かれていたが、今は、それどころじゃない。
誰も、オリンピックの話などしない。
今や、政治がどうなるか、しか、人は見てないし、フランスは100年ぶりのオリンピックに浮かれる雰囲気じゃないのだ。
知り合いのムッシュ・Fはぼくに「オリンピックどころじゃないですよ、明日がどうなるか、わからないんだから」と大声をはりあげていた。
極右政党・国民連合の躍進、それはフランスの民意なのだが、それに対抗する人達もかなりいて、7月7日の、決選投票までフランスの未来はわからない。
それは欧州の未来でもあり、NATOの未来にもつながり、しいてはウクライナ・ロシア戦争にも影響をするだろう。
けれども、個人的には、どっちになっても、急激な変化は起きないというのが、ぼくの現在の読み。ただ、右になろうと、左になろうと、中道と左の連合になろうと、ゆるやかに、欧州は変化期に入る。
もはや、入っている。じわじわと。

滞仏日記「フランス、オリンピックどころじゃない。日本もやばい。円安の急降下底なし」

※ 100年前のパリ・オリンピックのポスターなり。



しかし、それよりも心配なのは、円安の急加速だ。
今日、ユーロに対して最安値の173円を突破した。2002年、1ユーロ、100円だった・・・。
実は、欧州にいる日本の官僚さんと話をしたときに、「辻さん、1ユーロ=200円になる可能性あります」と漏らされたことがあった。
ぼくは180円くらいを予想していたが、このまま、行くと、円安は、官僚の方の言うとおり、底をつく。
経済力で台湾や韓国にすでに抜かれ、まもなく、マレーシアにも抜かれようとしている。
シンガポールには背伸びをしても及ばないのだ。知ってますよね? この現実。
今の日本、もはや、経済大国に留まることが難しい状況なのだ。
しかし、いまだ、パリ市内、トヨタががんがん走っているし、なぜ、ここまで円が下がらないとならないのか、少子化の問題だけじゃない、ずっと理由がわからずじまいだった。
しかし、はっきり言えるのは、政治がダメだということだろう。

滞仏日記「フランス、オリンピックどころじゃない。日本もやばい。円安の急降下底なし」



日本は島国だから、日本で暮らしていると実感はないかもしれないが、海外でのランチが3000円を突破する世界が近づいている、ということ。
つまり、海外旅行などできなくなる。
安い日本、を売りにするのは、ぼくは反対だ。
日本がどんどん、安くみられてしまうのは、だれの責任か、よく考えてほしい。
こうなることは官僚の人たちも、政治家もある程度、わかっていたのに、手を打てなかった、打たなかった、日銀も不能だった。
なのに、政治家の給料ばかりが世界的にみても異常に高いのは、どうなの? (韓国の議員の何倍も高いのだから・・・)
食料危機に備えて、コオロギを食べさせられたり、ごはんが食べられない児童が増えたり(子供食堂がこんなに必要な国になるとはぼくが子供のころには想像もつかなかった)なのに、政治家の皆さんはいまだ現実を見ないで、私利私欲に走っている。
パーティ券を5万にするか、10万にするかで、悩んでいる国会議員。やれやれ。
議員の給料を世界各国と比較すればわかる、日本の代議士はもらい過ぎ。田中真紀子さんが暴露した通り。摩訶不思議であろう。
日本は島国だから、魚とって食べていけばいいんだ、という人もいるが、今や地球規模で経済が回っている時代に、正直、それは、ありえない。
20年前、パリのそこかしこのショップに日の丸のマークが翻っていた。もう、どこにもない。かわりに、韓国、中国のマークが翻っている。
それでもいいんだけれど、日本が安いからと世界中の人々がお金を使うわけでもなく、日本に群がって、日本の伝統を軽んじるニュースが流れるたびに、これは政治の問題だな、と思うのは、ぼくだけだろうか?
日本は胸を張って、日本であってほしい。百均みたいな国になってほしくない。
今こそ、真に強いリーダーが必要な時代である。
政党はどうでもいい。
与党でも、野党でもいい、真の政治家の出現次第ということだ。
しっかりとした政治家が、私利私欲、金のためじゃなく、日本国民のために立ち上がらないとならないのだ。海外にいるからこそ、わかる、マジで、本当のことだ。
ぼくはぜんぜん、右でも左でもない。政治的人間じゃない。
でも、言いたい。自分が生きる国を大事にしてくれる政治家が必要なのだ。
それをみんなで応援をしないと、日本は、1ユーロ、200円、が年内に実現してしまうかもしれない。
強く、正しい政治をやれる人を押し出す必要がある。

滞仏日記「フランス、オリンピックどころじゃない。日本もやばい。円安の急降下底なし」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
7月7日には、フランスの国民が、未来のフランスを選択するでしょう。それはEUやNATOにも大きな影響を与える可能性があり、当然、各地の紛争や戦争にも影響を及ぼすでしょう。さらに、アメリカの選挙を受けて、これまでの世界の基準や地図が変更になる可能性は十分あると思います。その時に、備えてください。新しい地図が描かれようとしています。
ううう・・・。

滞仏日記「フランス、オリンピックどころじゃない。日本もやばい。円安の急降下底なし」

さて、お知らせです。
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