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滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」 Posted on 2024/07/01 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、フランスの総選挙の日に、ライブだったので、ちょっと心配していたが、たくさんの方々にお越しいただき、席が全部埋まって、最高の夜となったので、ご報告。
一番、驚いたのは、ECHOESのベストアルバムにサインをしてほしい、とフランス人の男性に詰め寄られた瞬間、であった。
「ユーは、なんでこれ持ってるの?」
「実は、日本人の彼女に80年代、プレゼントされて、それから、ずっと毎日、聞いてきたんです。今日は幸せです」
というのであーる・はんぶら宮殿!
マジか!!!!!
いた、フランス人にもECHOESファンが!!!! 80年代から、ずっと、聞いているって、それ、すごくないか? 
あまりに、びっくりしすぎて、その人との写真がとれなかったが、・・・世界って、侮れないな、と思った瞬間でもあった。
一生懸命、続けていると、そういう人にも出会える。感謝感激雨霰。
そのあと、フランス人のマダムが、サインください、と拙著「白仏」の仏語版初版を手渡された時にも衝撃が走った。
シャールミラさんという名前でした。白仏の初版は1999年なので、ひゃあ、こんなところにもファンがいたんだ、と驚いた。その方は、もう、ぼくのライブだけでも4回も来てくださっている、ということなのだ。どっひゃあ、ありがたいのー。
一階席中ほどまでは日本人のお客さんが中心で、後方と二階席はフランス人という、感じ。だいたい、半々でしょうかねー?
その中に、日本から、このフランスツアーに参加している人が、15人くらいはいるんじゃないか、と。それも、すごいね。何せ、今、1ユーロ=172円だから。
円安、ひどすぎるね。日本人が海外に行けない時代。
そんな時に、ほんとに、お金使わせてごめんなさい。

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

※ TOKUちゃん。お母さん、お元気ですか?

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※ エリック・モンティニー。

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

※ ヒデ、フロム・ロンドン。



せめて、いいライブができたから、よかった。
やはり、パリでしか、出せない音というか、空気感があって、マジで、いいライブだった、と思う。
緊張感のあるはじまり、ぼくとヒデによる「MATSURI」、これ、ライブにむいてないインストルメント曲だけれど、地味ながら、挑戦をした。
でも、ヒデがいい感じで、前にでて、この子、笑い病っていうか、いつも、笑っていて、やりにくいんだけれど、救われることもある。
今日で、ヒデとは、三回目のライブだったが、ようやく、通じてきたかな、ヒデ、がんばった。
そこから、MATSURIからソーラン節へとなだれ込んだ。
ソーラン節はフランス人にバカ受けする。日本人のお客さんが、「どっこいしょー」とあいの手を入れてくださるので、そこが受ける。バカ受けなのだ。
3曲目の「空」から、ピアノのエリックが参加し、安定した。
ヒデ一人だと、笑い過ぎなので、時々、コードも笑っちゃうから、調子が出ないまま、こちらはぶすっとしちゃうこともあった。あはは。
でも、エリックの安定感は抜群で、自分を立て直すことができた。
実は、エリックはゲストで、数曲弾いてもらう予定で、練習も一度やったのだが、ふと思いついて、せっかくだから、3曲目以降、最後まで全部参加してもらいたい、とサウンドチェックのあとに、頼んだのだった。ひどいよね。
スタッフのミカちゃんが、えええ、今ですか、と驚いていたが、エリックは動じず、いいですよ、と引き受けてくれたのだった。あはは。
ということで、サニーからゲストにフリューゲルホルンのTOKUちゃんに出て貰ったら、これがまたまた、フランス人に受けた。
もちろん、TOKUちゃん、リハとかしてない上に、お願いしていない曲も「やって」と王様的な依頼をしたにも関わらず、これまた引き受けてくれたのだ。
ミュージシャンって、すごくないですか?
楽譜もないし、終わり方も毎回決めてない。アイコンタクトだけで、間奏にいったり、終わったりするのだから、持つべきものは、プロのミュージシャンだね。笑。
結局、TOKU、アンコールのシャンゼリゼも含めて、4曲もやってくれたのだった。
フランス人にバカ受けだった。
そして、フランス人の心をもっとも掴んだのが、滝廉太郎の「荒城の月」と、ジャック・ブレルの「Ne me quit pas」であった。
荒城の月は、ものすごくビブラートを聞かせて歌うので、それが、受けた。ソーラン節は、ちょいさ~、が受けた。
受け狙いであーる。ちょいさー。

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

※ ここまで、写真、小田光!

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

※ ここまで写真、たかみちゃん。



とにかく、パリ公演、なんとか、大盛況で、よかったのだった。
うちのスタッフもみんな、先生がここまで楽しそうなの、久しぶりに観ました、と言ってくれたのだった。
そうそう、コシノジュンコ先生がまた、来てくれた。
彼女、実は、ぼくのパリ公演、もう何度も来てくれている。日本公演もほぼ全部、来てる。おっかけ? ありがたいね。今日は、トルコのカッパドキア経由で、来た。あはは、ぼくが首にまいてるスカーフは、コシノさんの商品。穴がたくさん、あいてるのだ。使い過ぎて・・・。
そうそう、国虎屋の野本が弁当をもってやってきた。
「ちゃんと払うから」
と言ったが、あとでええよ、と言って、きっと、お金は取らないのかもな、あはは。「なんでやねーん」とかいいそうやね。
鰻弁当が最高だった! メルシー、ミュージシャンたち、大喜び。
ま、ひとなり、そういうことやから、秋に、うちでも歌いに来てくれ、ということで、秋以降に、多分、パリ個展の時期に、打ち上げを兼ねて、国虎屋ライブ、やるかね。
そういえば、秋に個展をするパリの画廊の代表とか、フランス科学センターの美術史家のメトラル教授も来てくれた。
ぼくの絵しか、知らない人たちが、歌を聞いてどう思うのか、ちょっと心配だったが、歌詞がわからなくても、心に響いた、と言われて、ほっとしたのだ。
終演後、ぼくらは秋に行われるパリの個展の展示方法とか、その中身について、ちょっとした打ち合わせもやることが出来た。時間を無駄にしない、男・・・。
ともかく、この勢いで、7月3日のリヨン、マーキーズ公演も頑張らないとね。
えいえいおー。

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

※ この写真、ロンドン・スタッフのミカちゃん。

滞仏日記「パリ公演、大盛況、満席で、はしゃいでしまった父ちゃん、幸せでした」

※ 差し入れ、野本のうなぎ弁当、日本人ミュージシャンにバカ受けでした!!!



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
あ、たまたま、夫婦でパリに旅行に来ていたご夫婦さんがいて、その方々、ぼくの日記の愛読者さんで、チケットの買い方がわからず、直接劇場に乗り込んで、当日券をゲットして、観てくださった、というのを、ぼくのスタッフさんからきいて、とっても、喜んでいる、父ちゃんなのであります。遠く離れた土地でも、こうやって、つながることが出来て、嬉しいですねー。ご夫妻が、いい旅を続けて下さることを祈っております。とにかく、スリには、気を付けてくださいませ。あと、7月7日だけは、パリにいる日本人の皆さん、気を付けてください。その日だけは、夜に、シャンゼリゼとかにはまちがえてもいかないように。
ということで、この勢いで、リオンもお願いしますだ。
7月3日、リヨン、La Marquise
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html

そして、7月12日に、エッセイ教室をやります。文章を書くのが好きな皆さん、どうぞ、お気軽にご参加ください。
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https://tunagate.com/community/xWZVvgZD/circle/92861/events/329479

その他の情報~。

●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(ライブは、だいたい、9月25,26日のどちらかになります。作家としての登壇も予定しています)

あと、ツジビル・ラジオを、月に3回やっています。
皆さんのお悩み相談にこたえたり、一緒に考えたり、時事ネタもありーの、歌はないけれど、笑、お笑いもあって、楽しいひと時になることうけあいです。ラジオ好きな皆さん、どうぞ、ご参加くださいませ。
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