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パリ最新情報「フランス国民議会選挙、一回目の投票結果は極右『国民連合』がトップに 史上初」 Posted on 2024/07/01 Design Stories  

 
6月30日(日)、国民議会選挙の第一回投票がフランス各地で行われた。
フランスの国民議会は、6月上旬に実施された欧州議会選挙で、マクロン大統領率いる与党連合が極右政党「国民連合(Rassemblement National)」に大敗したことにより、電撃的な解散が発表されていた。
今回の投票は、その議席を埋めるメンバーを決定するものだ。人数は577人で、フランス全国577の選挙区から各1人の議員を選ぶという仕組みになっている(任期は5年)。投票は2段階で行われ、2024年は一回目を6月30日、二回目を7月7日と設定している。
 



 
フランスの内政を担当する首相は通常、大統領から直接任命される。しかしこれは、国民議会で第一党となった政党の党首から選ばれるのが常だ。
つまり今回は、「次の首相が極右政党から誕生するかもしれない」という歴史的な瞬間に直面したものであり、フランスの行方を左右する重要な投票だった。よって国民の関心は非常に高く、ヨーロッパの近隣諸国からも大きな注目を集めた。
 

パリ最新情報「フランス国民議会選挙、一回目の投票結果は極右『国民連合』がトップに 史上初」



 
結果は、極右政党「国民連合」が34.2%の得票率で第一党になる見込み。次いで左派連合の「新人民戦線」が29.1%で2位、マクロン大統領が率いる与党連合は21.5%の得票率で3位だった。極右政党が第一党として躍り出るのはフランス史上初となる。
なお今回の投票率は、最終的に66%になると見られている。これは1988年以来最高の投票率で、前回の国民議会選挙(2022年)の47.5%より、20%近くも上回る。国民にとっては予期せぬ選挙だったが、混沌とした社会背景が多くの有権者を動員した。

実際、極右「国民連合」に投票した人は「フランスが変わることを求めている」と話し、国内の治安や利益をいちばんに優先すべきだとした。一方、「国民連合」が二重国籍を問題視したことで、一部の国民からは強い反発が起きている。こうした有権者は「極右が政権をとるのはヨーロッパの暗い時代を思い出させる」として、やはり左派に投票したという。

しかし「国民連合」がトップに立った理由には、社会の閉塞感や物価高、移民問題へのフラストレーションなど、蓄積したフランス国民の不満があると考えられている。2日前に行われた世論調査でも、極右「国民連合」と、連携する候補が今の3倍ほど議席を増やし、最大勢力になるだろうと考えられていた。
そのため今回は、欧州議会選挙で大敗したマクロン大統領が、フランス国民に「正しい選択を」と賭けに出たことが裏目に出たかたちになった。
 



 
フランスには大統領と首相、政治のトップが二人いる。伝統的には大統領が外交や軍事を、首相が内政を担当する。
大統領の政党と、首相の政党が同じであれば物事がスムーズに運ぶのだが、対立政党から首相が選ばれるとなれば、意見の食い違いも当然のように起こるだろう。
フランスではこれを「コアビタシオン(保革共存)」という。
大統領と首相の所属政党が別となる「コアビタシオン」は、過去のフランスで3度あった。しかし、極右政党から誕生するとなればフランスの歴史上でもはじめてのことだ。その決定は7月7日、再び国民の手にゆだねられる。(大)
 

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