JINSEI STORIES
滞仏日記「実録、アボカドを育てる暇人父ちゃん、アボカド、こんなに育つこと知ってましたか?」 Posted on 2024/06/21 辻 仁成 作家 パリ
某月某日、まずは、アボカドの成長過程をご覧いただきたい。
誰に聞いたか、アボカドの種は植えれば、ちゃんと実がなるアボカドの木になる、と教えられた言葉を信じ、父ちゃん画伯は、絵を描きながらも、毎日、せっせと、アボカドに話しかけては育ててきたら、おおお、ここまで、育ったのだった。
「アボちゃん、おはよう。今日も素敵だね」
こういうと、アボカドも、よく育つのである。父ちゃんは、息子も褒めて育ててきたので、方法は一緒なのだった。
御覧いただきたい。
※ これがこうなり、
※ これがこうなって、下のようになった。
ということで、じわじわと成長しているアボカド君なのだが、長谷っちがやって来て、ぼそっと、言った。
「先生、アボカドって、実がなるまでにどのくらいかかるか、知ってるんですか?」
「へ、君、そんなこと、ぼくが知っているわけないでしょ」
「調べたんですが、4,5年かかります」
「う」
余計なこと調べやがって、と思った父ちゃんであった。
夢も希望もなくなった。5年? でも、めげない。
「じゃあ、4年とか5年も、育つのを待つ愉しみが増えるということやな」
「さすが、先生、人生のその距離感、素晴らしいです」
ふはははっ、☜ あほか。
ということで、長谷っちが、三四郎の相手をしてくれているあいだに、父ちゃん画伯は、秋のフランス個展にむけて、アトリエに籠ったのだった。(パリには二つのアトリエが稼働しております)
さんちゃんがいると、なかなか、作業が進まないので、ここ最近は、三四郎も大好き、弟子の長谷っちが散歩に連れ出してくれている。
ところで、父ちゃん、最近、絵の具で大切なセーターとかを台無しにしてしまったので、ネットで、油絵用エプロン(つなぎ?)を買ったのだった。
それが、幼稚園児の制服みたいで、いい笑いものになっておる。
これでベレー帽をかぶったら、ちょっとやばい感じになるね。
ということで、来週からライブツアーなのだが、秋の個展の、とくに、60号クラスの絵は、ツアーに出る前に、ニスを塗って仕上げたい。(油絵具はかわくのに、時間がかかります)
古い絵は倉庫にたくさん、眠っているのだが、パリで個展をやるからには、新作で、勝負をしたい、父ちゃん画伯であった~。
夏の新生堂の個展は申し訳ないことに完全予約制だったが、がっかりされている人に朗報が舞い込んだ。
7月の2日から、帝京大学が購入された、「青い時間」と「赤い集落のある村」の二点が、帝京大学博物館にて7月22日まで一般公開されることになったのであーる・でこー。(無料です)
こちら、詳しくは、下のURLで御覧いただきたい。
伊勢丹アートギャラリー展示された、ノルマンディで描かれた作品になるのじゃ。
☟☟☟
https://teikyo.jp/museum/exhibition/2024-spot-tsujihitonari/
わが分身よ、頑張ってね、ということにつきるのだ。
25日、発売の「芸術新潮」にも、ぼくのインタビューが掲載されるようなので、本屋さんで、まずは、ちら見してもらいたい。芸術新潮かァ、・・・くすくす。
夏の個展に来ることが出来ない皆さんも、芸術新潮が細やかに解説をしてくださっているようなので(新生堂情報です)、画伯も楽しみなのじゃ。25日、ですよ。
ということで、パリは快晴で、青空を見上げながら、カンバスに絵の具を塗りたくる、父ちゃんであった。
パリの個展は、10月4日、父ちゃんの35歳の誕生日から開催されるのだが、今回は、60号級の大作が画廊一階を埋め尽くす、大作個展になる予定。
みんなの度肝を抜かせたい、驚くような野心的な絵ばかりなのであーる・ぬーぼーーー。
こっそり、人間禁制のアトリエに長谷っちを招き、見せたら、
「先生、こ、こ、これは・・・(つづく)」
となりましたー。あはは。
なんで、こんなに絵ばかり描くのか、と思って気が付いたことがあった。
理由は一つ、小説との大きな違いは、無になることが出来るからであろう。
文体を構築していく頭脳とは違う頭脳が絵筆を動かすので、感性はどちらも必要なのだが、絵の方は理屈がない分、振れ幅に惑わされる喜びがなんとも初々しい。
そもそも絵描きを生業にしようと思って描いてこなかったので、職業観がゼロで、思うが儘に、殴り描きしている次第で、実に、楽しい。
もっとも、あと数年したら、そのうち、小説に戻るわけだが、絵筆を動かしながら、幸せを噛み締めておる、この気持ち、作品から感じとっていただきたし。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
そういえば、7月7日くらいに、全国書店に、「パリ情景、動かぬ時の扉」という初のアートブック(画集+小説集)が置かれる、かも。176ページもある画集なので、ちょっと値段も高いんですが、個展にはいけない、とお嘆きの皆さん、部数に限りがありますが、お手にとってください。80点ほどの作品と、原稿用紙200枚程度の中編小説「動かぬ時の扉」が掲載されています。あと、20年ほど前の古い絵も、数点、掲載されています。さて、夕飯の準備しようかな。
はい、ということで、フランス・ライブ・ツアーが近い父ちゃんから、お知らせです。
今月の地球カレッジ、6月27日、ボルドー市内オンラインツアーをやります。なんか、ボルドーで美味しいもの、探しましょうね。
ボルドー市内を練り歩く、父ちゃんガイドは、こちら。
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https://tunagate.com/community/xWZVvgZD/circle/92861/events/329477
そして、地球カレッジ、7月12日、第二回、エッセイ教室もあります。もう少し、文章で人生を豊かにしたい皆さま、どうぞ~。
☟
https://tunagate.com/community/xWZVvgZD/circle/92861/events/329479
さて、さて、ボルドーに続き、そのあとは、パリに行きます。
●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html
7月3日、リヨン、La Marquise
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html
それから、来月は、いよいよ、日本での引退公演ファイナルツアーがスタートします。音楽興行の世界から、引退します。
父ちゃんのジャパン・引退・ファイナル・ツアー・・・。
7月30,31,8月5日、有楽町、ヒューリックホール。
8月7日、人生最大の千秋楽、大阪フェスティバルホール
と、なります。
お時間があれば、どうぞ、お立ちよりくださいませ~。最高のライブにしましょうね!!!!
その他の情報~。
●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(ライブは、だいたい、9月25,26日のどちらかになります。作家としての登壇も予定しています)
あと、ツジビル・ラジオを、月に3回やっています。
皆さんのお悩み相談にこたえたり、一緒に考えたり、時事ネタもありーの、歌はないけれど、笑、お笑いもあって、楽しいひと時になることうけあいです。ラジオ好きな皆さん、どうぞ、ご参加くださいませ。
詳しくは下の、ツジビルサイトを、クリックね!
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