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日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方 Posted on 2024/04/07 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
フランス人のバター消費量は、世界でもナンバーワンだといいます。
ひと月では1家族あたり約650gの消費量。これは一個250gのバターを、毎月2個半も食べているという計算になります。(2020年仏農業・食料省調べ、外食や加工品含む)
 

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

 
実際に見ていても、バターはフランス人の食生活に必要不可欠です。
朝食用のバゲットに塗るのもそうですが、とにかくすごいのは、フランス料理で使われるバターの量だと言えるでしょう。
それも想像を絶するほどの量で、魚料理にしても付け合わせにしても「こってり」とした印象が残ります。

健康志向やヴィーガンの方を除いては、一般の家庭でも同じことが言えます。
特にクリスマスディナーではバターがふんだんに使われるため、日本人なら例外なく翌日に胃もたれを起こしてしまいます。
 



日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

 
そんなフランス人が愛してやまないバター、よく見ていると、包装が常に「紙」であることに気づきます。
箱入りやプラスチック入りのものは少なめ。ですのでバターの包装紙のほとんどは銀紙か、破れにくいワックスペーパーとなります。
これは外気をきちんと遮断するためだと聞きました。中にはバターの国フランスならではの、デザイナブルな包装紙も存在しています。
 

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

 
ですがフランス人は細かいことをあまり気にしません。たとえ型崩れしていても「仕方ない」で済ませてしまいます。
 

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

※バターの裏面にある分量表示は、微妙にずれている。



 
それから朝食のタルティーヌで使う、バターの塗り方には少し驚きました。
私たち日本人であれば、縦か斜め方向にちょっとナイフを入れると思います。しかしフランス人の塗り方は、上部をナイフで「削り取る」ようにバターを引っ掻いていくのです。
料理用に使うバターはもちろん同じものです(料理ではきちんと縦にナイフを入れる)。
ただ彼らは、元の形状がどんな風になっても気にすることはないようです。
 

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

※朝食時は「こうすることで適量が取れるから」「縦方向に切ると厚すぎる」というのが主な理由でした。



 
さてフランスのバターはざっくりと、無塩、有塩の二つに分けられます。
パリ地方ではほとんどの人が無塩バターを好んでいるのですが、バターの産地ブルターニュでは一転して、有塩バターが絶対なのだそうです。あちらでは特産品との相性もあって、有塩バターをとても誇りに思っているのだとか。
 

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

※レストランでのバターセット。



 
気になる保管方法は、(1)そのまま冷蔵庫に(2)専用のケースに入れて冷蔵庫に(3)バター皿にのせて常温保存(涼しい時期、2〜3日のみ)などがあります。
バター皿に関しては使う人が減っているものの、昨今のヴィンテージブームで(控えめに)復活しつつあるそうです。
そういった場合は毎日ではなく、ホームパーティーなど特別な日に用意するみたいですね。
 

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

※バター皿は陶器かガラス製がほとんど。

日本とこんなに違う、酪農大国フランスのバター、その楽しみ方と扱い方

©Bloomingville
※可愛いデザインも新しく出ています。

 
ということでバターは、日本の醤油のように、フランスの食生活になくてはならない存在です。
特にマルシェで量り売りされているバターはとても美味しくコクがあって、焼きたてのパンとも相性が抜群です。
フランス人はそんなバターを毎食たべても胃もたれはしないと言いますから、改めて日本との違いを感じております。
 

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。