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退屈日記「その頃、三四郎は、パリで知らないおじさまと暮らしているのだが・・・」 Posted on 2024/03/27 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ということで、ぼくは毎日、ボルドーを満喫中なのだが、パリに残してきた三四郎はどうなっているのだ、という心配の声が聞こえてくるので、ご説明したい。
いつもはドッグトレーナーのジュリアちゃんのところで合宿をしているが、(他のわんちゃんたちと毎日、森に行き、走り回って、規則正しい生活を送る、合宿であーる)、今回は日数が短かったので、時々、散歩などをお手伝いしてもらっているライターさんのお嬢さん、マリーちゃんのところで預かってもらっている。
マリーちゃんのお父さんはフランス人、お母さんは日本人なのである。
ぼくはお会いしたことがないが、こちらのお父さん、・・・50歳代のジェラールさんがとにかく三四郎が大好きになってしまったらしく、さんちゃんにべったりなのである。
お父さんは硬いお仕事をされているのだけれど、コロナ以降、在宅の仕事が増えているのだとかで、日中のめんどうはジェラールさんの仕事になった、のだとか・・・。
日本人の奥さんはライターさんをやりつつ昼間は外で仕事をされているし、一人娘のマリーちゃんはもちろん、学校がある。
で、この数日、三四郎は日中、ジェラールさんと二人きりなんだとか・・・あはは。
つまり、知らないおじさんと、二人きりで広々とした家の中にいる、らしい。すごい!
あくまでも、マリーちゃんからの情報でしかないが、毎日、写真が送られてくるので、それが、思わず、笑ってしまうのであーる。

退屈日記「その頃、三四郎は、パリで知らないおじさまと暮らしているのだが・・・」

※ さんちゃんが、白人のおじさんを見上げている、この顔、何か、たくらんでいるなー、笑。



退屈日記「その頃、三四郎は、パリで知らないおじさまと暮らしているのだが・・・」

ジェラールさん、最初は、どうしていいのかわからず、おどおど接していたようだけれど、次第に慣れてきて、今や、さんちゃんがいとおしくてたまらくなったみたいで、離さなくなった、のだとか。あはは。
恐る恐る、誰もいない時に、三四郎を散歩に連れて行ったら、それがあまりにも、ツボにはまってしまい、日中は、ずっとおじさんと三四郎、歩き続けているのであーる・ぱちーの。
しかも、ジェラールさん、自分一人の時は絶対にカフェなど入らない人見知りというか、人間嫌いな人のだけれど、カフェ好きな三四郎が、カフェに飛び込んでいくので、仕方なく、飲みたくもないコーヒーをつきあって飲んでいるのだとか、笑える。
ぼくがいつも散歩のときはカフェに入るので、三四郎はカフェ犬になってしまったのだった。
おじさん、どんな雰囲気かというと、写真を見せて貰ったが、ミスタービーンのような顔をしている。ハンサムな時のミスター・ビーンかな、笑。
英国紳士風の金髪オールバックのフランス人。背が高く、いつもオールドスクールの恰好をしているという情報だから、これまた、いとおかし。
ご近所の人たちに、「今、ちょっと預かっているんだ、三四郎、というのだ。かわいいですな」といちいち説明しているらしく、まんざらではないみたいなのだ。
三四郎が、甘えると、おじさん、おろおろして、おお、そうか、さんちゃん、何がほしいんだ、おみずか、おやつか? と腰をかがめて聞いているのだそうだ。
彼は身長、2メートルの巨人。一方、三四郎は短足のミニチュアダックスフント! 凸凹コンビなのである。
でも、マリーちゃん曰く、パパは、子供のころから、犬を飼いたかったのだけれど、親に反対され実現できなかった、とのこと。
ぼくも、そうだったので、おじさんの気持ち、よーく、わかるのだ。

退屈日記「その頃、三四郎は、パリで知らないおじさまと暮らしているのだが・・・」

※ 三四郎と、おじさん。

退屈日記「その頃、三四郎は、パリで知らないおじさまと暮らしているのだが・・・」

※ よその犬と対峙する三四郎、うしろから、どうしていいのかわからないでいる、おじさん。おじさんの足のあいだに逃げる三四郎、おじさん、胸がきゅんとする、・・・。



あと、二日したら、帰るので、おじさんに、ワインをお土産に持って帰ることにしたのだ。ジュリアちゃんの家は郊外だけれど、マリーちゃんの家は市内なので、近いから、短い旅行の時とか、預けやすいのだ。
おじさんさえ、よければ、時々、預かってもらいたいのだ。よろしくね。
三四郎は、いいなりに動くおじさんができて、嬉しいみたいなのだ。おじさんは、さんちゃんの奴隷なのであーる。
おじさん、奥さんや、マリーちゃんにはいつも威張っているらしいが、三四郎にはべろべろなところが、かわいい。
父ちゃんとしては、実にありがたい、話であーる・ぬーぼー。ジェラール、メルシー。
えへへ。

退屈日記「その頃、三四郎は、パリで知らないおじさまと暮らしているのだが・・・」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ということで、父ちゃんは今日もお勉強会、シャトー巡りをします。ボルドーの観光地、サンテミリオンに行きますね。フランスの田舎を堪能中です。今日までに、様々な種類のワイン、40杯以上を飲みました~。かなり、ボルドーワイン、詳しくなりましたよ。もう、プロのソムリエのようです、えへへ、それにしても、仕事とはいえ、朝から夜までワインは、ちょっときつい。あはは。

さて、そんな熱血ワイン父ちゃんからのおしらせですが、
フランスツアーが6月に行われます。パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
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●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-paris-concert-le-zebre-30-juin-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301135.html

そして、7月3日、リヨン、La Marquise
チケットはこちらから、どうぞ!
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https://billetterie.seetickets.fr/tsuji-in-lyon-concert-la-marquise-peniche-03-juillet-2024-css5-envolproduction-pg101-ri10301835.html

●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●7月後半から8月前半にかけて、日本ツアー、まもなく発表!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(詳細、待って)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

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