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パリ最新情報「今、パリの花屋さんでは“冬の太陽”ミモザが主役。」 Posted on 2024/01/24 Design Stories
黄色のポンポンが可愛らしい、ミモザがパリの花屋さんに並びはじめた。
この時期のミモザは、ほとんどが南仏コート・ダジュールから運ばれてくる。
ミモザは鮮やかな黄色とまん丸のお花が太陽をイメージさせることから、「冬の太陽」とも呼ばれている。
春を待ちわびる今のフランス人にとってはまさに、陽だまりのような存在だ。
ミモザの産地、南仏コート・ダジュールでは今年、1月の初旬から収穫が始まっていたそうだ。
現地のミモザ農家は家族経営であることが多く、なかには5世代前から続いているところもあるという。
日持ちも良く、マイナス6、7度まで耐えることができるミモザは、ほんのりとした甘い香りを放つ。
花言葉は「幸せ」と「安全」。
また「わたしがどれほどあなたを愛しているか、誰にも分かりはしない」といった意味も込められている。
そのためフランスでは、幸せや安心感の象徴として、家族間でミモザを贈ることが多い。
1月12日には、復旧工事が続いているパリのノートルダム大聖堂でもミモザが飾られた。
飾られたのは、ノートルダム大聖堂、「森(la forêt)」と呼ばれる屋根部分。
2019年の火災で焼け落ちてしまったこの部分は、パリの建築のなかで最も古い骨組みの一つと言われていた。
12日にはそんな骨組みが完全復活した。
現場では上棟式が行われ、黄色いミモザが最年少の棟梁によって上部に掲げられた。
La charpente de Notre-Dame est achevée ! pic.twitter.com/lc8r3BzNil
— Élysée (@Elysee) January 13, 2024
※エリゼ宮、公式X
フランスの伝統では、リボンで飾られた花束が設置されることは、大きなプロジェクトの完成を意味する。
花束のほかにも建築に使われた木の枝を飾るところが多い。
この度の大聖堂では季節の花ミモザが飾られたということで、現地パリでも明るいニュースになった。
なお、このミモザを収穫したのはやはりコート・ダジュールの農家だった。
こちらは3世代続くミモザ農家だといい、インタビューでは「わたしたちの花があそこまで運ばれるなんて、とても光栄なことです」と喜びの表情を見せていた。
コート・ダジュールのミモザはまた、春先の結婚パーティーやウェディング・ブーケとしても人気なのだそうだ。
このように、喜びをもたらすミモザはフランスの人々からとても愛されている。
曇天が続き、どことなくさみしい冬の窓辺が一気に明るくなったりもする。
パリ近郊のミモザはまだ蕾の状態だが、天候が良ければ2月中旬には花を咲かせるかもしれない。
こうして1月初め〜3月までと、愛でる期間が長いのもフランスのミモザの特徴だ。(ち)
※昨年2月下旬。パリのミモザはもう少し先。