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滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」 Posted on 2023/12/19 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、光が足りない。冬日が続くパリなのである。
このまま、2023年をパリで終わらせていいのだろうか、と父ちゃんは何も予定のない年末に、悶々と考えた。
クリスマス前にはどうしてもパリにいないとならない。まず、歯医者の予約があるし、クリスマスイブのオンライン・ライブもある。
しかし、年末年始はパリにいる必要がない。当事務所は25日から翌月、中旬まで、長期冬期休暇に入る。
近隣諸国の友達に会うために、三四郎と太陽を求める旅に出ても罰は当たらない。
不意に、サンセバスチャンやシチリアに三四郎と行ったときのことを思い出した。楽しかった~。また、ああいう旅に出てはどうだろう?

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」

※ スペインはサンセバスチャンに、三四郎と到達!!!! ストリート浜辺ライブをやったのだった~。

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」

※そして、シチリアのシラクーサに到達~。三四郎、初飛行機での旅だった。

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」

※シラクーサの夜の路地で、哲学する犬!!!

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」



2023年は本当に大変だったから、自分へのご褒美、大切である。皆さんも、自分へのご褒美、忘れずに。体と魂を休ませてあげましょう。
さてさて、ところで犬と行くことができる国って、どこかいな?
たとえば、列車の旅とか、素敵じゃ、あーりませんか。
ベルリンまで9年ぶりに夜行列車が再開された、とDSの「パリ最新情報」で記事になっていたっけ。いいね。
夜行列車はスイスとかイタリアにも行くことができるはず。いいねいいね。
いてもたってもいられなくなって、本屋さんにガイドブックを見に行った。
ボンマルシェ・デパートの最上階に大きな本屋があって、そこに旅行コーナーがある。
おっと、大発見してしまった。
あの「ルイ・ヴィトン」が世界各国のシティガイドを出しているじゃないか!
「TOKYO」もあった!!!

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」



日本でも売ってるみたいだけれど、日本語版かどうか、ちょっとわからない。
フランス語と英語版があることは突き止めた。全世界30都市をカバーする、シティガイドのようなかわいい本である。
立ち読みしたけれど、なんで、ルイ・ヴィトンがこれを出したのか、わからなかったが、ボンマルシェだからか、大きく扱っていたので、一冊、買った。(もしかしたら、ヴィトンがショップ展開している都市を扱っているのかなァ・・・)

フランス語の勉強になるし、かわいいので、事務所に飾っておくのに、ちょうどいい。
ということで、真剣に、三四郎との夜行列車旅を考え始めた父ちゃんなのである。
まず、犬が、夜行列車に乗って、国境を超えることができるのか、うう、そこだ。
うーむ。
夜行列車に乗ったことのある友達に聞いたら、一等車は個室になっていて、鍵がかかる、とのことだった。そして、ベッドが昔は天井に二つあった、という。
今は、四つかもしれない、というあいまいな返事だったし、さらに、コロナ禍以降、そういう夜行列車が欧州を横断しているのか、わからない、と言われた。
そこで、SNCF(フランス国有鉄道)に電話をしてみたのだけれど、つながらなかった。ずっと、話し中・・・。
ということで、今日の調査は、ここまで、となった。☜はやっ。
犬と列車旅ができるのか、どうか、は明日以降、調べ上げることにし、まずは、行きたい場所をいろいろと想像することからスタートした。
旅に出る、と思うとウキウキする。
もう、決して若くはない父ちゃんにとって、ステージに立って歌うことに負けないくらい旅は人生のだいご味なのである。
相棒の三四郎との旅ならば、間違いなく、楽しいはず。
シチリア、とっても楽しかったし、サンセバスチャンも最高だった。
シチリアは飛行機だった、サンセバスチャンは車だった。
次は、列車がいい。
いいねいいね。期待が膨らむ。

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」

※ 旅? また、ボク、出かけるの? 



ガイドブックを捲りながら、そこに載っている写真を眺め、ため息をつく。
見知らぬ土地で、見知らぬ人と出会う、それが人生を豊かにしてくれる。
たしかに、犯罪に巻き込まれないか、戦争の時代だし、心配は心配だけれど、一度しかない人生なのだ。ずっと、同じ場所でうろちょろしているのも、もったない。
一生懸命、今年は働いたし、創作もやったので、12月の後半くらい、自由になろう。
どこだ!!!
ぼくらはどこへ行くんだ!!!
旅人の血が騒ぐ。
おいしいものとの出会いが待ち遠しい。ギリシャか、トルコか、デンマークか、ポルトガルか、スイスか、ドイツか!!!! おお、ベルリンか!!!!
ということで、本当は三四郎と熱海の温泉に行きたい、父ちゃんなのだが、サンシーにとって大陸を超える旅はちょっと無理なので、(飛行機がかわいそう)、欧州で我慢をします。
今週中に、犬+乗り物+安全な都市+物価の安いところ、で決めたいと思う。
夜行列車に三四郎、乗れないかもしれないけれど、そもそも、トイレがダメかもね。うーむ。その場合は、夜行バスっ!!!!!

滞仏日記「あまりに暗いパリ、太陽を求めて、三四郎と南下の旅に出たくなった。たぶん、出ます」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
年末年始は、仕事がないんです。だから、ちょっと魂を休めるなら、このタイミングしかないことに、今、気が付きました。ポール卿がこの時期、フランスにいるらしい、という情報も得ているので、どこかで合流出来たら、最高なんですが・・・。



自分流×帝京大学