某月某日、何も作りたくない日があって、当然なのである。
だからといって、レストランに行き、フルコースは無理、フルコースじゃなくても、サービスされるのがうざい時もある、誰にも気を使わないで、サクッと食べたい、そんなときに、必ず、立ち寄る、息子に教えてもらったのが「Cojean（コジャン）」なのだ。
最近、学校帰りにアルバイトで三四郎の散歩を担当してくれているマリーちゃん（１８）も、三四郎のドッグトレーナーのジュリアも、ご近所仲間のマノンちゃんも、うちの息子君も、高校生大学生、社会人に大人気なのが、このコジャンということで他の追随を許さない。で、もともとは、スムージーで名を挙げたファストフード店なのだ。でも、内装がおしゃれで、空間が広くとってあり、ファストフードなのだけれど、ZARAホームで食事をしているような、心地よい感じを受ける。

ここ数年、コジャン系のファストフード店がパリやロンドンでヒットしているけれど、コジャンが元祖かなァ。とにかく、ヘルシーで、おいしくて、かっこいい、を確立。
なので、ちょっと若いパリジェンヌ、パリジャンたちが、こぞって、集まってくる。
うちの息子も、外食はほとんどしないが、コジャンにはたまに行くらしい。
ぼくは今日、15区はボーグルネルにあるコジャンに立ち寄り、ケールの蕎麦サラダを買って、帰った。
蕎麦？　日本をなめとんのか、と最初は鼻で笑った父ちゃんだったが、ケールと蕎麦という組み合わせに好奇心が沸き、購入。
さっそく、家にもって帰り、食べたら、おおお、蕎麦じゃん、し、しかも、上手に洋風にアレンジされていて、こりゃあ、侮れないぞ、となった。
ケールって、生で食べるとこんなにおいしいのか、と驚き、しかも、蕎麦にあう。えええ、シイタケも入ってるし、枝豆だけじゃなく、これなに？　お揚げ？？
揚げが入っていて、上がったァ！　☜おなじみ、父ちゃんのおやじギャグです。
思わず、息子に写真を送ると、
「おいしいよね、コジャン」
とグッドマークが戻ってきた。
「みんな、コジャンに行くよ」
「何、食べるの？」
「ぼくはスムージーとキャロットケーキかな。学生だから、高いところには行けないけれど、身体にいいものを食べたいじゃない。今ね、ぼくらの世代はみんな健康志向なんだよ。リールとかTikTokとかで食品情報がすごく流れているから、怖がって、ぼくの周りの子たちはファストフードは敬遠気味。お金のないぼくらは、だから、コジャンに行くかな」
「ほー」
「日本の食材とか上手に使ってるし、口にあう。女性に大人気だよ」

「あ、パパ、仕送りしてもらわないと、家賃払えない」
「え、あ、もう3か月経った？」
「うん」
ぼくは3か月ごとに、家賃と生活費を息子に送金している。
フランスは私立じゃなければ学費はほとんどタダなので、家賃と食費だけでいい。彼はほぼ自炊なので、食費も最低限ですんでいる。それでも、一年分となると結構な額になる。
息子君が社会に出るまで、父ちゃん、がんばらないと。
携帯で操作し、その場で送金をした。便利な時代である。
「今、送った」
「ありがとう」
「明日、土曜日だけれど、そっちにご飯行ってもいい？ちょっと、家庭料理に飢えているから」
「もちろん。何か、食べたいものがあれば、作るよ」
「うん。パパのごはんなら、全部おいしいから、なんでもいいよ」
と来た。あはは。ガッテンだ！
食べることでつながる。これは、ものすごく大事なことなのだ。
おいしいが、親子の絆を取り持ち、深めてくれるのだ。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
そういえば、13日の日記で15区のワイン屋さんでおいしいワイン見つけた、と書いたのですが、2，3組の日本人マダムがあのワインを買いに来てくださったようで、トマがマジで、喜んでおりました。おいしかったでしょ？　なかなか、ないワインですね。日本で売ってるか調べたら、あったのだけど、「売り切れ」でした。やはり、「ミラボー・パパン」人気なんですね。あの日記、翻訳されて、生産者のグザビエさんのところに届くらしい、です。トマが完全な仏語に訳して、届ける、とのことでした。よかったよかった。
さて、今日は一日、なまけもの父ちゃんでしたが、明日は息子が来るので、これから買い物に行き、何か作ってやるかなァ、と思っています。昼はうちで、夜は外食でもいいかもしれませんね。