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パリ最新情報「温かい飲み物のトレンド、パリのパンプキン・スパイス・ラテ」 Posted on 2023/11/04 Design Stories
温かい飲み物が沁みる秋、パリにカフェオレでもホットワインでもない、新しいドリンクが登場し、静かな話題になっている。
その名はパンプキン・スパイス・ラテ。
コーヒーとスチームミルク、スパイス、そしてパンプキンのフレーバーソースで作られるという、秋らしい一杯だ。
2000年代初頭にアメリカで登場したパンプキン・スパイス・ラテは、コーヒーチェーン店のスターバックスによって世界中に広まった。
以来、フランスのパリでもじわじわと広がりを見せ、今では個人経営の小さなカフェなどで、多くの女性客から注文があるという。
ミルクを植物性のものに変えれば、パンプキン・スパイス・ラテはヴィーガンにも対応できる。
SNSで広がったのはもちろん、こうしたフレキシブルさがパリで受け入れられた理由だった。
パンプキン=秋=季節限定、というようにイメージできるパンプキン・スパイス・ラテだが、パリ12区にはこれを看板商品として置くカフェがある。
※パリ12区、「Comptoir Veggie(コントワール・ベジー)」では一年を通してパンプキン・スパイス・ラテを置いている。
こちらではかぼちゃのピューレは使わず、フレーバーシロップを使用している。
シロップにはクローブ、ジンジャー、ナツメグ、ペッパーといったスパイスが大変に効いており、一杯飲めば冷えた身体がポカポカと温まるほどだった。
※パンプキン・スパイス・ラテ、豆乳かアーモンドミルクのどちらかをチョイス。
少しチャイの味にも似ているコントワール・ベジーのパンプキン・スパイス・ラテ。
やはり女性客に人気だといい、今の時期はラテとともに、シナモンロールを注文する人が多いそうだ。
パンプキン・スパイス・ラテはこうしてフランスでもじわりと広がっているわけだが、フランスに存在するかぼちゃの種類、その豊富さにはいつも驚かされる。
ちょうど今が旬だというフランスのかぼちゃは、皮の部分が緑ではなくオレンジ色が主流だ。
そのうちの一つ、オレンジ色のポティマロン(potimarron)は栗かぼちゃのような味わいで、スープやピュレ、グラタンなどに使用することが多い。
※ポティマロン(potimarron)、小ぶりサイズ。
ほか、スイカのように大きいポティロン(potiron)、ひょうたん型が特徴のバターナッツ(butternut)、平べったい形をした白かぼちゃ、パティソン(pâtisson)などがある。
※バターナッツ(butternut)、ひき肉を詰めた料理「バターナッツ・ファルシ」が有名。
このようにたくさんの種類があるフランスのかぼちゃ。
秋も深まった最近では、レストランでもスーパーのコーナーでも、スープとして登場する機会が多くなった。
フランスのスープは濃厚なので、これ一つで「前菜」のメニューにもなっている。
※フランスのスーパーに置かれている、ポティロンのスープ。
新たなトレンドとなったパンプキン・スパイス・ラテは、かぼちゃのピューレが入っているもの、生クリームがたっぷり乗ったものと、店によってさまざまだ。
しかし季節を迎えた今では、この飲み物を「抹茶ラテに続く新しいトレンド」として、多くの情報誌が取り上げている。(セ)