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パリ最新情報「パリ、公衆トイレを五輪に向けて一新。市内約半分の公衆トイレを交換へ」 Posted on 2023/10/29 Design Stories
海外旅行で困ってしまうトイレ事情。
パリもまた、日本のトイレとは大きな違いがある。
コンビニのないフランスなので、困った時はデパート・美術館・カフェといった施設に入らなければならない。
しかし中には有料のところがあったり、長い行列ができていたり、そもそもトイレの数が少なかったりと問題に出くわすことも。
一方無料で使えるところでは、便座がないなど驚きの光景が広がっていたりする。
パリの公衆トイレは、意外にも数が多い。
現在では435の個室と、315の男性用トイレ、合計で750か所が市内に設置されている。
これらは無料で使えるが、個室の方は男女共用で、定員はたった一人となる。
さらに個室は終わって外に出ると扉が閉まり、トイレの水が流れるだけでなく、トイレの室内(主に床)を自動で洗浄、消毒、乾燥するシステムとなっている。
パリの公衆トイレに行列ができてしまう理由は、このシステムにあった。
シャンゼリゼ通り近く、エッフェル塔近くといった人気観光地では多くの人が利用するために待ち時間も長い。
こうした事情を鑑み、2024年3月からオリンピック開催までの間に、公衆トイレの42%が順次交換されることになった。
新しい公衆トイレは、従来のデザインと大きく変わらない。
しかし洗浄時間は現在の三分の一となり、個室のすべてに男性用トイレが設置されるという。
場所は観光客が多く訪れるスポット(エッフェル塔周辺やオペラ座近くなど)、オリンピック競技が開催されるスタジアム近くに重点的に設置されるということだ。
©Patrick Jouin / JCDecaux / Document remis
※新公衆トイレの内観。
パリ市はまた、「トイレの清掃を担当するチームは、交通渋滞に巻き込まれないようカーゴバイクで移動する」と述べている。
公衆トイレにおける水と電気の使用量も削減する、ということなので、清掃員の移動も環境に配慮した形が取られるようだ。
なお24年3月からは、すべての公衆トイレが同時に閉鎖されないように、毎週10カ所ずつ順番に交換される。
地元パリジャンは困った時、公衆トイレのほかカフェを利用してトイレを借りる(飲食をすることが前提)という。
とはいえ、どこにあるか分からないパリの公衆トイレ。
これは、パリ市の公式ホームページで一覧を確認することが可能だ。
https://www.paris.fr/pages/les-sanisettes-2396
※パリ市内にある公衆トイレのマップ。
今回は全体の42%、つまり185の公衆トイレがオリンピックまでに交換される予定だが、残りすべてのトイレは2025年上半期までに交換を完了する予定だという。
またパリ市は、公衆トイレの使用料金は2006年以来無料であり、今後も無料にするつもりだと述べている。(ヤ)